症状
頸動脈狭窄症そのものは無症状ですが、以下の機序により脳梗塞やTIAのリスクとなります。
1:狭窄部位の血管内腔が極度に細くなり、脳への血流が低下します。
2:プラークを覆う被膜が破綻し(プラーク破綻)、プラークの内容物が直接血液に接触することで血栓が形成されます。血栓やプラーク自体の破片が血流に乗って脳に運ばれ、脳の血管を詰まらせます。
破綻を起こしやすいプラークを不安定プラークと呼びます。不安定プラークは、脂質含有量が多いという特徴を持っています。
脳梗塞
脳梗塞は、脳内の血管に血栓やプラークの破片が流入して脳の血管が詰まったり、血管狭窄により血流が低下したりすることで脳組織への血液供給が減少し、それが持続することで脳細胞が壊死する病気です。壊死した部分が担っていた機能に障害が生じ、それらが後遺症として残ることがあります。
TIA
脳梗塞と同じような機序で発生しますが、症状は一時的です。脳組織への血液供給が低下し、その部分が担っていた機能に障害が生じますが、詰まった血管が自然に再び開通したり、脳への血流低下が改善したりすることにより、症状は24時間以内(多くは数分から1時間以内)に改善します。MRIなどの画像検査を行っても脳梗塞には至っていないものをTIAといいます。
しかし、TIAを経験した方は脳梗塞の発症リスクが高くなります。TIAを起こした場合、10~15%の方は90日以内に脳梗塞を発症するリスクがあり、そのうち約半数は48時間以内に発症していたという報告もあります。
TIAは脳梗塞を警告する重要なサインであるため、後述する症状が現れたら速やかに医療機関を受診することが重要です。
脳梗塞・TIAの症状
- 手足のしびれ
- 手足が動かしにくい/手足に力が入らない
- 体のバランスがとれない
- 言葉が出てこない
- ろれつが回らない
- 片目が見えにくい
- 視野の一部が欠ける
など
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