原因
心臓から大動脈へと送り出された血液は、脳を含む全身臓器へと運ばれます。脳への血流を支配するのに重要な血管として、頸動脈があります。頸動脈はさらに内頸動脈と外頸動脈へと分岐し、内頸動脈を通ることで血液は脳へと運ばれます。ちょうどこの分岐部を中心として、動脈硬化性病変が進行することがあり、その結果、頸動脈狭窄症が発症します。
動脈硬化の原因としては喫煙習慣や肥満、運動習慣や食生活の乱れなどが挙げられます。これらによって糖尿病や高血圧、高脂血症といった病気が進行し、血管において動脈硬化が進行します。実際に動脈硬化が進行するのは頸動脈に限らず、心臓に血液を送る冠動脈や上下肢への血管、ひいては大動脈に至るまで全身の血管が障害されます。動脈硬化が進行することで、血管内部にプラーク(コレステロールなどの塊)が貯留すると、血管の内腔が狭くなり血液の流れが悪くなるため、内頸動脈狭窄症を発症します。
プラークは非常に不安定なものであり、ちょっとしたことをきっかけに一部はがれ落ちることがあります。はがれ落ちた破片は血流に乗り、そのまま脳へと運ばれます。すると、運ばれた先の細い血管に破片が詰まり、結果としてその障害を受けた血管領域に一致して脳虚血、脳梗塞などが生じることとなります。
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