概要
てんかん発作は、電気回路がショートして起こるものです。つまり、脳のどこかに病変があると、ショートしやすくなるのです。加齢にともない脳卒中や外傷など、脳は何らかの損傷を受けやすくなります。てんかんを発症する要因が増えるため当然かもしれませんが、高齢社会を迎えた日本においては、今後さらに高齢者てんかんが増えることが予測されています。
てんかんは、小児期に多く、高齢者では発症することはないと思われているようですが、近年の疫学調査の結果から、てんかんの発症率は高齢者でもっとも高いことがわかっています。高齢者とは65歳以上と定義していますが、65歳以上でのてんかんの有病率は1%を超えています。
原因
高齢期のてんかん発症の主な原因は脳血管障害ですが、明らかな脳血管障害の既往がなくとも起こります。脳は神経細胞の興奮と抑制でコントロールされている器官ですが、高齢になるとその抑制機能のほうが弱くなることがわかっています。
脳血管障害が加わると、脳の抑制機能がさらに弱くなることで、てんかんが起こりやすい要因となります。 高齢者てんかんの原因でもっとも多いのは脳卒中です。
症状
高齢者のてんかんは「複雑部分発作型」と呼ばれ、ぼーっとして寝ているのか起きているのか分からないという発作が主な症状であることが多くあります。そのような状態が1〜2分続いた後、通常の様子に戻ります。
つまり、てんかんの発作として広く認識されているようなガタガタ震えるようなけいれんを起こすことがない場合も多々あるために、非常に見逃されやすいです。
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