おうしょくぶどうきゅうきんしょくちゅうどく

黄色ブドウ球菌食中毒

最終更新日:
2018年08月22日
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2018/08/22
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概要

黄色ブドウ球菌食中毒とは、黄色ブドウ球菌が産生する毒素によって引き起こされる食中毒のことを指します。

黄色ブドウ球菌自体は手や鼻などにも広く分布する細菌であり、とてもありふれたものです。そのため、ときに大規模の集団発生が起こることもある一方、運動会などで持参したおにぎりなどが原因となり発症することもあります。

原因

黄色ブドウ球菌食中毒は、黄色ブドウ球菌が産生するエンテロトキシンを原因として引き起こされます。

食品が黄色ブドウ球菌に汚染されることで、食品中で黄色ブドウ球菌が繁殖します。この際にエンテロトキシンを産生し、食品がエンテロトキシンによって汚染されます。

黄色ブドウ球菌そのものは熱によって殺菌処理を行うことが可能ですが、エンテロトキシンは加熱処理にも抵抗性を示します。そのため、ひとたび食品が黄色ブドウ球菌並びに毒素で汚染されてしまうと、加熱処理によってもエンテロトキシンを除去するのは難しくなります。

こうして汚染された食品を摂食することで、食中毒が引き起こされます。原因となる食材としては、おにぎりや牛乳、お菓子など多くのものを挙げることができます。

症状

黄色ブドウ球菌食中毒は、エンテロトキシンで汚染された食物を摂食してから数時間の潜伏期間を経てから症状が出現します。短時間のうちに症状が出現することが、特徴のひとつといえます。

具体的には、吐き気や嘔吐、お腹の痛みや下痢などの消化器系の症状が中心となります。多くの場合は1〜2日ほどで症状は治まりますが、ときに脱水が強くなることもあります。

検査・診断

黄色ブドウ球菌食中毒は、集団発生することもあります。そのため、診断の際には周囲に同じような症状が現れている人がいないか、同じような食物を摂取していないかなどの情報も重要です。

臨床経過から黄色ブドウ球菌食中毒が疑われる場合には、嘔吐物や糞便、原因と思われる食材などの中に黄色ブドウ球菌が存在していないかを培養検査で確認します。

黄色ブドウ球菌食中毒は毒素が原因となるため、検出された黄色ブドウ球菌が毒素を産生する能力があるかどうかの確認も必要です。この際、エンテロトキシンを検出するためのキットが使用されることもあります。

治療

黄色ブドウ球菌食中毒は、一般的には1〜2日の間の経過で症状の改善を期待できます。この間、脱水にならないように適宜水分補給をおこないます。経口補水液での補給や症状が強い場合には点滴の実施も考慮されます。

黄色ブドウ球菌食中毒は、食品中への黄色ブドウ球菌の混入が発症の発端となります。そのため、食料品を取り扱う際には、手洗いをしっかりと行い衛生環境を保った状態で調理にあたることが重要です。

特に(うみ)がでている場合、黄色ブドウ球菌が多数存在するため、手に膿を伴う傷があるときには調理を避けることも大切です。

また、調理後の食品を冷蔵して毒素の産生を抑える、できるだけ早く摂取する、などを心がけることも予防のためには重要です。

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