治療
AYA世代がんの治療では、がんの治療に加えて多彩なライフステージのサポートも重要視されます。
がんの治療
がんの治療方法はがんの種類によって異なりますが、手術、薬物治療、放射線治療などがあります。治療方法を選択する際には、そのがんに対して科学的に効果が証明されている標準治療が基準となりますが、AYA世代がんはまれなために標準治療が確立されていないことも少なくありません。そのため、既存の治療に加えて企業治験や医師主導臨床試験に参加することで、新しい治療法を選択肢として提供する病院もあります。
また、AYA世代がんの治療を進めるうえで重要視されるのが妊孕性(妊娠するために必要な能力のこと)の温存です。がんの治療期間は妊娠が難しくなったり、妊孕性を失ってしまったりすることがあります。そのため、将来的に子どもを望む場合は、妊孕性を温存するための支援を受けることもできます。
ライフステージのサポート
AYA世代がんはさまざまな問題に直面する年代であるにもかかわらず、患者数が少ないため専門的なケアを提供できる医療機関は多くありません。
しかし、全国に整備されているがん診療連携拠点病院などのがん治療を専門とする医療機関では、AYA世代がんの問題に着目したサポートを受けることができます。AYA世代がん患者のための相談支援についても地域によっては取り組みがなされています。
具体的なサポートの内容は医療機関によっても異なりますが、多くの病院では看護師、心理療法士、薬剤師、栄養士、作業療法士、ソーシャルワーカーなどそれぞれの分野の専門家に相談できる体制が整えられています。
また、治療を進める際には通勤や通学への影響がなるべく少なくなるよう、入院期間を短くしたり、外来中心での治療を優先したりするなど、なるべくその人のニーズに合った治療を選ぶこともできるため、主治医やそのほかの医療スタッフと十分に相談することが大切です。
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