あいじーえーじんしょう

IgA腎症

最終更新日:
2021年01月28日
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2021/01/28
更新しました
2017/04/25
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治療

IgA腎症の治療方針は成人と小児とで異なりますが、治療の第一目標はたんぱく尿の陰性化です。たんぱく尿が残存すると腎障害は進行するためです。一方、ある程度の血尿の残存は許容されますが、陰性化することが望ましいです。

成人の場合

成人のIgA腎症では、降圧薬(RAS阻害薬)、副腎皮質ステロイド薬、免疫抑制薬、扁桃摘出術(+ステロイドパルス療法)、抗血小板薬等による治療が行われます。腎生検の所見が重症の場合は副腎皮質ステロイド薬、免疫抑制薬、扁桃摘出術が選択されます。一方、軽症の場合は、降圧薬(RAS阻害薬)や抗血小板薬が選択されます。

扁桃摘出術は、慢性感染を合併し異常なIgAの発生源となっていると考えられている扁桃腺を摘出する手術です。ほとんどの患者は、扁桃摘出術を行ったあとに、糸球体の炎症を抑制するためのステロイドパルス療法が行われます。ステロイドパルス療法とは、点滴で大量の副腎皮質ステロイド薬を3日間連続投与(1クールと呼びます)する方法であり、さらに症状に合わせ数クールを繰り返します。因みに、扁桃摘出術とステロイドパルス療法を組み合わせた治療では、ステロイドパルス療法単独の治療よりも尿中のたんぱくを減少させる効果が示されています。

IgA腎症は症状が出にくいため、成人患者は検尿などにより早期発見されなかった場合、診断時にすでに慢性腎障害が進行している場合もあります。そのような場合には治療効果が限定的になることもあります。

小児の場合

小児のIgA腎症の場合、軽症例においては降圧薬(RAS阻害薬)や抗血小板薬の内服治療を行います。腎生検の所見が重症の場合は、副腎皮質ステロイド薬(ステロイドパルス療法を含む)と免疫抑制薬、さらに降圧薬(RAS阻害薬)や抗凝固薬/抗血小板薬などの3つから4つの薬剤を組み合わせた多剤併用療法(カクテル療法)が行われます。通常、カクテル療法は2年間にわたって行います。一方、軽症の場合は、降圧薬(RAS阻害薬)や抗血小板薬が選択されます。

小児のIgA腎症に対する扁桃摘出術について有効性を示す科学的な結論は出ていませんが、カクテル療法を行っても改善が見られない場合やカクテル療法後に再発する場合などには、扁桃摘出術(ステロイドパルス療法が併用されることが多い)が検討されます。

小児患者は学校検尿などで早期に発見されることが多く、上記の治療を行えば完治することがほとんどであり、また腎機能低下を残す患者も少なくなっています。

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