たんせきしょう

胆石症

最終更新日:
2021年12月24日
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2021/12/24
更新しました
2017/04/25
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概要

胆石症とは、胆道に結石ができる病気の総称です。胆道の中でもどこに結石ができるかによって、胆嚢結石(たんのうけっせき)(約80%)、胆管結石(約20%)、肝内結石(約2%)に分けられます。胆石は胆汁に含まれる成分が結晶化して固まることででき、成分によって結石の呼び名が異なります。

胆石ができると右の肋骨(ろっこつ)の下やみぞおち、右肩などに痛みを生じるようになりますが、ほとんど症状がみられない人もいます。また、黄疸(おうだん)と呼ばれる皮膚が黄色くなる症状がみられることもあります。

日本で胆石症になる人の数は食生活の欧米化や高齢化によって増えているといわれており、その頻度は10人に1人といわれています。

胆石症の中でも胆管結石の場合は放置すると胆管炎と呼ばれる病気に進行し重症することもあるため、適切な治療を受けることが大切です。

原因

胆石症とは胆道に結石ができる状態を指し、胆石は胆汁に含まれる成分が結晶化して固まることで発生します。

胆石は成分によってコレステロール石と色素石(ビリルビンカルシウム石、黒色石)に分けられ、それぞれ原因が異なります。

コレステロール石は胆汁のコレステロール濃度が高くなることで発生し、色素石のうちビリルビンカルシウム石と呼ばれる胆石は胆汁の細菌感染が原因で発生します。黒色石ができる原因は不明です。

これらの胆石のうちもっとも頻度が高いものはコレステロール石で、肥満、女性、40歳代白人、出産人数が多い人、糖尿病患者、血中コレステロール値が高い、血縁者に胆石症患者がいる場合などにリスクが高くなることが知られています。

症状

胆石症の主な症状は胆道痛と呼ばれる右の肋骨の下辺りの痛み、みぞおちの痛み、右の背中の痛み、右肩の痛みで、食後に現れやすいのが特徴です。

また、黄疸が発生して皮膚や白目の部分が黄色くなったり、ビリルビン尿と呼ばれる褐色~黒色の尿が出たりすることもあります。一方で、胆石症の2~3割は症状がほとんどみられないこともあり、無症状胆石と呼ばれます。

また、一部の人では胆嚢や胆管に炎症を起こすことがあります。炎症が起こると高熱が出るほか、細菌感染が加わると敗血症と呼ばれる重篤な病気に発展することもあります。

検査・診断

胆石症は胆道痛などをきっかけに受診し、画像検査を元に診断されることが多いです。胆石症の検査でよく行われる画像検査には、腹部超音波検査、CT、MRCP(磁気共鳴胆管膵管造影検査)、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査)などがあります。

一般的には腹部超音波検査が行われます。症状がない場合でも人間ドック健康診断での腹部超音波検査で発見されることがあります。

画像検査では、胆石の有無のほかに胆石の大きさ、個数、胆嚢の状態などを確認します。

治療

胆石症で痛みなどの症状がみられる場合は手術を行います。胆石のみを取り除いても再発することが多いため、胆石症の手術では胆嚢ごと取り除く胆嚢摘出術が行われます。

胆嚢摘出術には腹腔鏡(ふくううきょう)下手術と開腹手術があり、全身麻酔下で行われます。体の負担が少ない腹腔鏡下手術が第一選択ですが、腹腔鏡下手術が難しい場合は開腹手術が行われます。

また、胆石の状態によっては薬物治療(ウルソデオキシコール酸)や体外衝撃波胆石破砕療法と呼ばれる、体の外から衝撃波を当てて胆石を破砕する方法が使われることもあります。

痛みがない無症状胆石の場合は治療を行わずに経過観察を行いますが、胆管の出口に詰まって胆管炎が生じている場合は、無症状でも胆管内の胆石を除去する治療が必要になります。

治療後の経過

胆石症は、胆石ができる部位や治療の方法によっては再発したり合併症を引き起こしたりすることがあります。胆嚢結石で胆嚢を取り除いた場合は基本的には再発するリスクは低いですが、胆管結石や肝内結石では胆石が再発することがあります。

また、人によっては胆管や胆嚢に炎症が生じる胆管炎や胆嚢炎、胆汁うっ滞、肝内胆管がんなどの合併症が起こることもあるため、治療後も医師の指導の下で定期検査を続けることが大切です。

予防

胆石は食事などの生活習慣と密接に結びついており、日頃から食事に気を付けて胆石の形成を予防することが大切です。

コレステロールや脂質の多い食事はリスクが高まるため、これらの過度の摂取を控え、たんぱく質や食物繊維を含むバランスのよい食事を続けるようにしましょう。

肥満は胆石症のリスク因子ですが、過度なダイエットは胆石形成のリスクを高めるため、適度な食事と運動を心がけることが大切です。

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