小学生の頃から医師、中でも外科医になりたいと思っていました。手先を動かすことが好きだったのも外科を選んだ理由の1つです。一方で、学生時代に児童養護施設でアルバイトをしていて、その中で将来は小児医療に携わりたいとも考えるようになりました。成人の外科では主にがんの手術を担当します。しかし、小児の外科では身体の機能を修復するための手術が中心となります。このような小児外科特有の手術に携わることにも魅力を感じました。
小児外科というと専門性が高いというイメージがあるかもしれませんが、実際は体表の病気から呼吸器、消化器、泌尿器と、多臓器を対象にしています。手術も
私は小児外科医として小児・新生児の手術、
千葉大学医学部附属病院に12年間、千葉県こども病院に6年間在籍しました。現在は千葉市立海浜病院に転職し、小児外科の統括部長として診療に努めています。
これまで3次医療機関での診療にやりがいを感じていましたが、難治性の病気など専門性が必要とされる手術を担当することが多くなり、日常の一般臨床から少し離れてしまうのが気がかりでした。また大きな施設になると診療経験に応じた役割分担が行われるため、患者さんを身近で診る機会が減ってしまっていたのも事実です。
医師としての後半戦に差しかかるにあたって自身を見つめ直し、お子さんを総合的に診療する姿勢を持ち続けたい、自分の技術を患者さんにより近い日常臨床の場で生かしていきたい、という思いが強くなりました。また個人的な話になりますが、私の子どもが本院のNICU(新生児集中治療室)に搬送されてお世話になったことがあり、千葉市立海浜病院は私たち家族にとって特別な病院でした。いつか医師として恩返しがしたいという気持ちがありました。
千葉市立海浜病院の小児科は、発熱や腹痛のお子さんから外傷のお子さんまで、専門分野に限定せず窓口の広い小児医療を提供しています。通常、小児外科は外来でいらっしゃった患者さんをまず小児科医が診察し、何かあった場合に声がかかるという体制が多いのですが、本院は同じ小児チームなのでこの情報がすぐに共有されます。また、医師と医療スタッフの距離が近くて風通しがよく、地域の開業医の先生方と連携して地域に根ざした医療も行っています。
千葉市立海浜病院は一般病院ですが、難易度の高い手術まで対応できるスタッフもそろっています。専門性を発揮しつつ、患者さんにより近い位置で幅の広い診療を行えることに、小児外科医としてとてもやりがいを感じています。
私自身10年ほど前に首の
医師として診断や治療について迷うのはよくあることです。ですが、必要な情報を可能な限り集めて、チームの意見を聞き、“最善を尽くす”。そして、患者さんが自分の子どもだったら自分はどうするか、親御さんの立場に立って考え、患者さんやご家族と共に判断をするようにしています。最終的には、ここで治療を受けてよかったと感じていただけることが一番うれしいです。
私自身、これまでさまざまな先輩医師たちに指導をいただきました。ですから、私も自分の経験や技術を後進の医師に積極的に伝えていきたいと考えています。全ての診療手技や手術手技には、なぜそこに至ったのか理由があります。私たちが昔受けた教育は「見て覚えなさい」というものが多かったのですが、私は言葉で伝えられることはできる限り言葉で伝えたいです。「追いつけるものなら追いついてみろ」という気概で私も精進していかなくてはなりませんが、相互にコミュニケーションを取りやすい環境の中、出し惜しみすることなくしっかり伝えていきたいと思います。
また、千葉市立海浜病院の小児外科として目指したいチームのあり方があります。それは、私が医師になって3年目くらいの時の経験にあります。そのときに勤務していた病院では、まだ20歳代だった私と40歳代、50歳代の医師の3人チームだったのですが、業務を全て3等分にしていました。一番上の医師だから担当する医療、一番下の医師だから担当する医療というものはなく、全てを等分する診療体制にとても衝撃を受けたのを覚えています。たとえば、小児外科というと鼠径ヘルニアの手術が一番基本的な手術で、通常は若手の医師が執刀することが多いのですが、私も手術を行いますし、上のお二人も手術をされて、その際は私が助手を務めるのです。もっと驚いたのは、若手医師にとって難しい手術も均等で回ってきたことです。普通の病院では指導医クラスの医師しか執刀できないような手術も、医師3年目の私が担当することが多々ありました。今振り返るとお二人にとても技術があり、私がどんな手術をしても全部カバーするよという自信があったうえでのご指導だったのだと思います。ですが自分の手術もしっかり指導いただき、上司の手術も実地で学ぶことができ、とても勉強させていただきました。
高い技術のある先輩にサポートいただきながら診療から手術まで、積極的に現場を任せていただけた経験は、小児外科医としての私の原点となっています。千葉市立海浜病院でも上司・部下といったポジションで業務内容を分けるのではなく、お互いの特性を認め合いながら、よりよい医療提供を目指していきたいと考えています。
若手医師の皆さんには小児外科として、“ジェネラリスト”としての気概を大切にしてほしいと思います。専門性の高い診療を究めることも大切ですが、外科だけにこだわらずさまざまな診療に携わり、裾野を広げて患者さんと関わっていただきたいです。
千葉市立海浜病院は小児科、新生児科、小児外科の3科がそろっていて窓口が広く、小児医療への熱意がとても強い病院です。また成人の診療科をはじめ、さまざまな部門のスタッフがお互いに協力し合い、惜しみなくバックアップしてくれます。
やりがいも感じつつ働きやすい環境ですので、充実した研修期間を送ることもできるでしょう。小児医療に携わっている医師や研修医の方には、ぜひ本院での医療を経験していただければと思います。
この記事を見て受診される場合、
是非メディカルノートを見たとお伝えください!
千葉市立海浜病院
うさぴょんこどもクリニック 院長、千葉市立海浜病院 小児科 非常勤医師
橋本 祐至 先生
千葉市立海浜病院 小児科 、千葉市病院 前事業管理者
寺井 勝 先生
千葉市立海浜病院 循環器内科
丹羽 公一郎 先生
千葉市立海浜病院 副院長、救急科統括部長
織田 成人 先生
千葉市立海浜病院 診療局長(外科)
吉岡 茂 先生
千葉大学医学部 臨床教授、千葉市立海浜病院 診療局長
齋藤 博文 先生
千葉市立海浜病院 小児科 成人先天性心疾患診療部 部長
立野 滋 先生
千葉市立海浜病院 産科・婦人科 統括部長
飯塚 美徳 先生
千葉市立海浜病院 乳腺外科 乳腺外科統括部長
三好 哲太郎 先生
千葉市立海浜病院 循環器内科 統括部長
宮原 啓史 先生
千葉市立海浜病院 耳鼻いんこう科 統括部長
大塚 雄一郎 先生
千葉市立海浜病院 脳神経外科 科長
吉田 陽一 先生
千葉市立海浜病院 小児科 部長
小野 真 先生
千葉市立海浜病院 新生児科 統括部長
岩松 利至 先生
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現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。