日常臨床で幅広く医療を提供する小児外科医に

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日常臨床で幅広く医療を提供する小児外科医に

患者さんとご家族の気持ちに寄り添い続ける光永 哲也先生のストーリー

千葉市立海浜病院 小児外科 統括部長
光永 哲也 先生

さまざまな病気に対応できる小児外科医を目指して

小学生の頃から医師、中でも外科医になりたいと思っていました。手先を動かすことが好きだったのも外科を選んだ理由の1つです。一方で、学生時代に児童養護施設でアルバイトをしていて、その中で将来は小児医療に携わりたいとも考えるようになりました。成人の外科では主にがんの手術を担当します。しかし、小児の外科では身体の機能を修復するための手術が中心となります。このような小児外科特有の手術に携わることにも魅力を感じました。

小児外科というと専門性が高いというイメージがあるかもしれませんが、実際は体表の病気から呼吸器、消化器、泌尿器と、多臓器を対象にしています。手術も鼠径(そけい)ヘルニアや急性虫垂炎など一般的なものから、赤ちゃんの先天性疾患、小児がんと幅広いのも特徴です。また、生まれたばかりの赤ちゃん(場合によっては生まれる前の赤ちゃん)から15歳までの小児、また成長して成人となった患者さんまで、対象とする年齢層はさまざまです。

私は小児外科医として小児・新生児の手術、腹腔鏡(ふくくうきょう)や胸腔鏡を使った鏡視下手術の研鑽を積んできました。また大学院の時から消化管粘膜の免疫について研究を行っており、小児の胃カメラ、大腸カメラなどの内視鏡検査と消化器疾患の治療も得意領域としています。専門を1つに絞るのではなく、ジェネラリストを目指す気持ちで診療に取り組んできました。

日常臨床で技術を生かしたいという思いから、千葉市立海浜病院へ

千葉大学医学部附属病院に12年間、千葉県こども病院に6年間在籍しました。現在は千葉市立海浜病院に転職し、小児外科の統括部長として診療に努めています。

これまで3次医療機関での診療にやりがいを感じていましたが、難治性の病気など専門性が必要とされる手術を担当することが多くなり、日常の一般臨床から少し離れてしまうのが気がかりでした。また大きな施設になると診療経験に応じた役割分担が行われるため、患者さんを身近で診る機会が減ってしまっていたのも事実です。

医師としての後半戦に差しかかるにあたって自身を見つめ直し、お子さんを総合的に診療する姿勢を持ち続けたい、自分の技術を患者さんにより近い日常臨床の場で生かしていきたい、という思いが強くなりました。また個人的な話になりますが、私の子どもが本院のNICU(新生児集中治療室)に搬送されてお世話になったことがあり、千葉市立海浜病院は私たち家族にとって特別な病院でした。いつか医師として恩返しがしたいという気持ちがありました。

千葉市立海浜病院の小児科は、発熱や腹痛のお子さんから外傷のお子さんまで、専門分野に限定せず窓口の広い小児医療を提供しています。通常、小児外科は外来でいらっしゃった患者さんをまず小児科医が診察し、何かあった場合に声がかかるという体制が多いのですが本院は同じ小児チームなのでこの情報がすぐに共有されますまた、医師と医療スタッフの距離が近くて風通しがよく、地域の開業医の先生方と連携して地域に根ざした医療も行っています。

千葉市立海浜病院は一般病院ですが、難易度の高い手術まで対応できるスタッフもそろっています。専門性を発揮しつつ、患者さんにより近い位置で幅の広い診療を行えることに、小児外科医としてとてもやりがいを感じています。

患者さんと家族に寄り添い、“最善を尽くす”医師であり続けたい

私自身10年ほど前に首の椎間板(ついかんばん)ヘルニアという病気の手術を受けました。そのとき患者の立場となった経験から「患者さんの気持ちに寄り添える医師でありたい」とより強く思うようになりました。さらに先述のように私の子どもが入院した経験から、患者さんのご家族とも信頼関係を築くことが大切だと感じています。

医師として診断や治療について迷うのはよくあることです。ですが、必要な情報を可能な限り集めて、チームの意見を聞き、“最善を尽くす”。そして、患者さんが自分の子どもだったら自分はどうするか、親御さんの立場に立って考え、患者さんやご家族と共に判断をするようにしています。最終的には、ここで治療を受けてよかったと感じていただけることが一番うれしいです。

コミュニケーションが取りやすい、風通しのよいチーム作りに励む

私自身、これまでさまざまな先輩医師たちに指導をいただきました。ですから、私も自分の経験や技術を後進の医師に積極的に伝えていきたいと考えています。全ての診療手技や手術手技には、なぜそこに至ったのか理由があります。私たちが昔受けた教育は「見て覚えなさい」というものが多かったのですが、私は言葉で伝えられることはできる限り言葉で伝えたいです。「追いつけるものなら追いついてみろ」という気概で私も精進していかなくてはなりませんが、相互にコミュニケーションを取りやすい環境の中、出し惜しみすることなくしっかり伝えていきたいと思います。

また、千葉市立海浜病院の小児外科として目指したいチームのあり方があります。それは、私が医師になって3年目くらいの時の経験にあります。そのときに勤務していた病院では、まだ20歳代だった私と40歳代、50歳代の医師の3人チームだったのですが、業務を全て3等分にしていました。一番上の医師だから担当する医療、一番下の医師だから担当する医療というものはなく、全てを等分する診療体制にとても衝撃を受けたのを覚えています。たとえば、小児外科というと鼠径ヘルニアの手術が一番基本的な手術で、通常は若手の医師が執刀することが多いのですが、私も手術を行いますし、上のお二人も手術をされて、その際は私が助手を務めるのです。もっと驚いたのは、若手医師にとって難しい手術も均等で回ってきたことです。普通の病院では指導医クラスの医師しか執刀できないような手術も、医師3年目の私が担当することが多々ありました。今振り返るとお二人にとても技術があり、私がどんな手術をしても全部カバーするよという自信があったうえでのご指導だったのだと思います。ですが自分の手術もしっかり指導いただき、上司の手術も実地で学ぶことができ、とても勉強させていただきました。

高い技術のある先輩にサポートいただきながら診療から手術まで、積極的に現場を任せていただけた経験は、小児外科医としての私の原点となっています。千葉市立海浜病院でも上司・部下といったポジションで業務内容を分けるのではなく、お互いの特性を認め合いながら、よりよい医療提供を目指していきたいと考えています。

千葉市立海浜病院の小児外科で共に働く若手医師たちへ

若手医師の皆さんには小児外科として、“ジェネラリスト”としての気概を大切にしてほしいと思います。専門性の高い診療を究めることも大切ですが、外科だけにこだわらずさまざまな診療に携わり、裾野を広げて患者さんと関わっていただきたいです。

千葉市立海浜病院は小児科、新生児科、小児外科の3科がそろっていて窓口が広く、小児医療への熱意がとても強い病院です。また成人の診療科をはじめ、さまざまな部門のスタッフがお互いに協力し合い、惜しみなくバックアップしてくれます。

やりがいも感じつつ働きやすい環境ですので、充実した研修期間を送ることもできるでしょう。小児医療に携わっている医師や研修医の方には、ぜひ本院での医療を経験していただければと思います。

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