DOCTOR’S
STORIES
小児科医として患者さんとそのご家族に寄り添う 小野 真先生のストーリー
初診から治療を乗り越えた後まで、長く患者さんに寄り添う医師になりたい――。これは、大学で実習生だったころの私がさまざまな患者さんと出会い、決心したことです。中でも子どもは早期に適切な治療を行うことで早く治る病気が多いですし、将来を担う子どもの成長を医療面でサポートできることに大きなやりがいを感じ、小児科医の道に進むことにしました。
小児科専門医*の資格取得後は、研修中から興味のあった内分泌系の病気や糖尿病の診療により深く関わりたいと思うようになりました。これらの病気は、1つのホルモンのはたらきが乱れることによって全身にさまざまな症状が出ます。ときには生涯にわたる治療が必要となる場合もありますが、適切に治療することで元気に日常生活を送れるようになる病気も少なくなく、一人ひとりの成長過程を考慮しながら長期的な視点で治療できることに魅力を感じました。その後は複数の病院で診療経験を積み重ね、内分泌代謝科(小児科)**と糖尿病***の専門医も取得。また病気の原因をより深く理解して診療にも役立てたいと思い、大学院進学や海外留学の機会もいただき、分子遺伝学の基礎研究にも邁進しました。このような経験を評価いただき、子どもの内分泌系の病気や糖尿病の診療体制を強化する目的もあって、2022年10月、千葉市立海浜病院 小児科に着任しました。
*日本専門医機構および日本小児科学会認定の小児科専門医を指す
**日本内分泌学会認定の内分泌代謝科(小児科)専門医を指す
***日本糖尿病学会認定の糖尿病専門医を指す
千葉市立海浜病院の小児科は活気にあふれています。在籍するスタッフの数はおよそ40人(2023年10月時点)で、研修医や専攻医などの若手からベテランまで幅広く活躍しています。
小児科の一般的な病気だけでなく、循環器や神経系の病気、アレルギー、小児外科などさまざまな分野を専門とする医師が常勤医として勤務しているのも特徴です。千葉・市原エリア内の地域小児科センターに指定されており、年中無休・24時間体制で子どもの急患を受け入れている点や、ある程度の病床規模を持ち合わせている点からも、高いレベルの医療を提供できていると自負しています。
当院がカバーするエリアは広く、人口約100万人を抱える千葉市をはじめ、近隣の地域からも多くの患者さんが来院されます。多様な病気を診察する機会があるため医師としての経験を積めますし、さまざまな病気を診察・治療できる医師が地域にいるのは患者さんにとっても心強いだろうと思います。
小児科を支えるスタッフ全員がスムーズに患者さんのケアにあたれるよう、情報共有の場はしっかり設けています。
毎日朝夕にスタッフ全員でカンファレンスを行うのはもちろんのこと、週に一度は時間をかけて全入院患者さんのレビューカンファレンスを実施することで、スタッフ一人ひとりが患者さんに寄り添って対応できるよう努めています。当院には新生児科のNICU(新生児集中治療室)もあるため、新生児科とも定期的にカンファレンスを実施し、患者さんの情報を共有しています。NICUにいる赤ちゃんは慢性的な病気を抱えていることがあるため、後に当院の小児科病棟に転棟される場合も少なくありません。転棟の際、スムーズに治療を継続できるよう情報共有は欠かせないのです。
このほか、スタッフ同士がいつでも気軽に質問や相談できる体制を整えています。ビジネス用SNSを導入することで、スタッフの数が少ない休日や夜間の当直中に困ったことがあってもオンラインで全スタッフに相談することができるため、経験の浅い医師にとっては安心感につながります。また、ベテラン医師にとっては自分の専門外のことも質問できるため、若手とベテランがお互い支え合うサポートができていると感じています。
ちなみに、当直や日直は原則として2人以上で担当します。基本的に、上級医と専攻医というように経験のバランスを意識してペアを組むので、経験が浅い若手だけになったり、1人で全部行わなければならなかったり……という心理的や体力的な負担が少なくなるよう配慮されていると感じます。
このように大所帯だからこそ築ける手厚いサポート体制によって、医師の負担が軽減され、患者さんに寄り添ったケアを提供できています。仕事とプライベートのオン・オフもはっきりしており、働きやすい職場環境だと思います。
子どもの病気は、一般的に発症してから病状が悪化するまでは早いものの、適切な治療を行えば回復するのも早いといわれています。そのため、早期に適切な治療を施すのはもちろんのこと、患者さんの体調が悪化しそうなときは、この後生じ得る症状を先回りして考えることで即座に対応できるよう心がけています。さらに、今現れている症状に場当たり的に対応する表面的な治療はせず、大元にある原因は何かということをしっかり考えることも重要です。若い先生方にも、このような思考をする癖をつけてもらうよう指導することが大切だと感じています。
私の専門である内分泌系の病気や糖尿病は、生涯にわたって治療が必要なこともあります。そのような病気を抱える患者さんを医療面でサポートし、病気のない子どもたちとできるだけ同じような生活を送ってもらうことが私の目標の1つです。治療が功を奏して「遠足や修学旅行が楽しかった」「部活の大会でよい結果を出すことができた」といった話を聞けるのは本当にうれしいですし、これからも患者さんが日常生活を楽しめるように医師として邁進しなければという原動力にもつながっています。
私が着任して以降、内分泌系の病気や糖尿病の患者さんが受診してくださる機会が徐々に増えてきています。これらの病気は長期間の治療が必要となることもあるものの、専門とする医師は決して多くないのが現状です。専門診療を必要とする地域の患者さんに対して私1人でできることは限られるかもしれません。しかし、患者さんがわざわざ遠方の病院まで足を運ぶ必要がなく、慣れた地元の病院で診療を受けられることは意義のあることだと考えています。小児科医として、また内分泌系疾患や糖尿病を専門とする医師として、地域の子どもたちが日常生活をスムーズに送れるようサポートするため、自分が得た知識や経験を後進の指導に生かして患者さんにも還元していきたいと思います。
千葉市立海浜病院の小児科は、総合診療から専門的な診療まで幅広く対応することができます。小児科専門医を目指す先生方にとっては専門研修プログラムも充実しており、本人の希望によっては大学病院や小児専門病院、千葉県内外の複数の病院で研修を受けることも可能なので、さらに知見や経験を広げることができるでしょう。多くのさまざまな医師と出会い、診察や治療経験のある病気の幅が広がれば、小児科専門医資格を取得した後のサブスペシャルティや進路の選択肢の幅も広がると思います。サポート体制はしっかりしていますので、若い先生方にはぜひ当院で存分に力を発揮していただきたいです。
この記事を見て受診される場合、
是非メディカルノートを見たとお伝えください!
千葉市立海浜病院
うさぴょんこどもクリニック 院長、千葉市立海浜病院 小児科 非常勤医師
橋本 祐至 先生
千葉市立海浜病院 小児科 、千葉市病院 前事業管理者
寺井 勝 先生
千葉市立海浜病院 循環器内科
丹羽 公一郎 先生
千葉市立海浜病院 副院長、救急科統括部長
織田 成人 先生
千葉市立海浜病院 診療局長(外科)
吉岡 茂 先生
千葉大学医学部 臨床教授、千葉市立海浜病院 診療局長
齋藤 博文 先生
千葉市立海浜病院 小児科 成人先天性心疾患診療部 部長
立野 滋 先生
千葉市立海浜病院 産科・婦人科 統括部長
飯塚 美徳 先生
千葉市立海浜病院 小児外科 統括部長
光永 哲也 先生
千葉市立海浜病院 乳腺外科 乳腺外科統括部長
三好 哲太郎 先生
千葉市立海浜病院 循環器内科 統括部長
宮原 啓史 先生
千葉市立海浜病院 耳鼻いんこう科 統括部長
大塚 雄一郎 先生
千葉市立海浜病院 脳神経外科 科長
吉田 陽一 先生
千葉市立海浜病院 新生児科 統括部長
岩松 利至 先生
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。