院長インタビュー

総合的な医療で地域に幅広く貢献する富田林病院

総合的な医療で地域に幅広く貢献する富田林病院
宮崎 俊一 先生

大阪府済生会富田林病院 院長、近畿大学 循環器内科 客員教授

宮崎 俊一 先生

この記事の最終更新は2019年02月07日です。


富田林病院外観

大阪府済生会 富田林病院(以下、富田林病院)は内科、耳鼻咽頭科、産婦人科、小児科など多岐にわたる分野の診療科を有し、多様化・複雑化する医療のニーズに対応しています。所属する医師は、それぞれの分野に注力しながらも、多角的な診療を行える総合医療に重点を置いています。

「総合医療にこだわるのは、患者さんとの信頼関係を構築するため」とおっしゃる宮崎俊一院長に、同院の特徴や注力する取り組みについて、詳しいお話を伺いました。

カテーテル治療の様子

富田林病院は、救急搬送される患者さんを可能な限り断らず、受け入れられるような環境を整えています。電話応対の時点で受け入れの可否を判断せず、まずは受け入れて診察してから、当院での対応が可能かどうか、結論を出すよう心がけています。

所属する医師には、患者さんの抱える「痛み」や「不調」が何を指しているのか、体のどの辺りで生じ、どのような症状なのか、これらを電話連絡だけで判断してはならないと伝えています。また、自分の担当する分野しか診療しないといった内科系医師のマインド変革や、院内で異なる分野の医療を担う医師同士がコミュニケーションを円滑に取れるように工夫することで、特定の医療に偏らず、多角的な診療を行う総合医療に対する意識を強化しました。

さらに、常勤の医師を増やし、若手の育成にも尽力した結果、富田林病院の救急医療体制は、より一層強固なものとなっています。

体の不調は、いつどのタイミングで起こるかわからないものです。また不調を感じたときは、ネガティブな精神状態に陥っていると思います。そういった状態の患者さんにとって、病院から診察を断られることは、精神的にも大きな負担となります。緊急時に受け入れて迅速に対応できる病院であり続けること、そして医療の質を向上させることで患者さんにとって信頼できる病院になれると信じています。

かつて当院では救急の患者さんを断らなければならないケースが多い時期がありました。これを重大な課題と捉え、改善に向けて力を注いできました。

図書館で行うカンファレンス

既に厚生労働省よる統計調査でも明らかなように、近年では患者さんの高齢化に伴い、悪性腫瘍と心疾患認知症や精神疾患に関わる診療が増えてきていることを、当院では重視しています。また腰痛や関節痛などの原因を取り除く、整形外科にも注力していく必要があると考えています。高齢の方は複数の病気を抱えていることも想定できるため、富田林病院の特徴である多角的な総合医療で患者さんに向き合っていこうと考えています。

患者さんの数だけ、求められる治療方法とその進め方があると考えています。富田林病院は、それらに柔軟に対応できるよう日頃から尽力しています。さまざまなニーズを踏まえ、日帰り治療や在宅治療など、患者さん一人ひとりに合わせた治療の進め方を提示するほか、技術面での発展も目指して医療の充実に努めています。

富田林病院には、居宅介護支援事業所や訪問看護ステーションが併設されています。要介護状態の利用者や、日々の生活の中で継続的な看護とケアが必要な方に、可能な限り自宅で自立した生活を送るための援助を行っています。
 

自分が患者さんのために何ができるか、何をしたいかを常に考えていてほしいと思います。また、医療を学ぶ際にはまず内科系か外科系を分けて、それぞれの全般的なことを学び、徐々に専門分野として追求していくことをお勧めします。自分が本当にやりたい医療とは何か、じっくり考えてみてください。一方で、どのような分野にも対応できることも、患者さんや病院にとって非常に重要な能力です。

自らの専門分野を持ちながらも、さまざまな分野で活躍できる医師を目指して、頑張ってほしいと思います。

体に何か不調があったとき、自分がどのような病気なのか、どの診療科を受診すればよいのか、判断できない場合も多いかと思います。富田林病院では、急性期医療をはじめ小児医療、周産期医療など、既に地域の方々の需要に応えるための医療を行っておりますが、それに加えて患者さんに不要な労力と精神的負担をかけないように、どの診療科でも患者さんの全身を診て、総合的な視点で診察できる医師を増やしていきたいと考えています。

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  • 大阪府済生会富田林病院 院長、近畿大学 循環器内科 客員教授

    宮崎 俊一 先生

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