インタビュー

肩関節周囲炎(五十肩)―日常生活の注意点と予防

肩関節周囲炎(五十肩)―日常生活の注意点と予防
中川 泰彰 先生

日本バプテスト病院 整形外科 主任部長、 京都大学 臨床教授

中川 泰彰 先生

この記事の最終更新は2015年07月30日です。

一般的に「五十肩」という名前で知られる、「肩関節周囲炎」という肩が痛くなる症状があります。この多くは自然に治ります。しかし、「たかが五十肩」と決めつけて診断を受けないのは危険です。なぜなら1週間以上の肩の痛みが続いている場合には腱板断裂など治療が必要な病気が隠れている可能性などもあり、一度整形外科でレントゲン検査などを受けて正確な診断をつけるべきだからです。

この記事では、肩関節周囲炎の日常生活の注意点と予防について、関節外科医として多くの学会で評議員を務められていらっしゃる、国立病院機構京都医療センター整形外科診療部長・京都大学臨床教授の中川泰彰先生にお話をお聞きしました。

  • 肩を冷やさない

肩関節周囲炎では肩を冷やさないことが大切です。直接クーラーの風を肩に当てないことや、就寝中に肩が冷えないように寝巻きの上着を厚めにするなどの工夫をするだけでも痛みの感じ方がかなり違ってきます。

  • 温かくする

ゆっくり入浴し肩関節の血行をよくすると有効です。入浴した時シャワーや手桶を使って温かいお湯を肩にかけたり、厚手のシャツを着たり、保温用のサポーターを着用することも大事です。

  • 重いものを肩にかけない

肩に負担をかけないようにしましょう。荷物の重みや腕の重みを肩にかけないようにするだけでも、痛みが軽減することがあります。具体的には、カバンを肩に掛けたり荷物を持ったりするときには、悪い方の肩を使わないだけでも効果的です。買い物をするときも、かごを持つよりもカートを押す方が良いでしょう。

  • 肩が上がりすぎないようにする

物を上に持ち上げる時には、踏み台に乗るなどして肩が上がり過ぎないようすると負担が軽減します。

  • 寝るときの姿勢

寝るときには、体と脇の間にタオルや枕などをはさんで、腕を開いて肩を浮かせた姿勢をとることも有効と考えられます。

肩関節周囲炎糖尿病がリスクとなることは「肩関節周囲炎(五十肩)とは―概要とのその原因」でお話ししましたが、予防についてはまだ確立したものはありません。
ただ、一度私がテレビでお話ししたことがあるのが、「1日1回バンザイをする」というものです。バンザイというのは肩関節では最大挙上、つまり180度の可動にあたります。理論的に言えば、きちんと大きな可動域で肩関節を動かしてあげると、これにより関節包が大きくなります。もちろんこれに関する研究結果があるわけではありませんが、予防につながる可能性は十分にあると考えています。

受診について相談する
  • 日本バプテスト病院 整形外科 主任部長、 京都大学 臨床教授

    中川 泰彰 先生

「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

    関連の医療相談が32件あります

    ※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。

    「五十肩」を登録すると、新着の情報をお知らせします

    処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。