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インタビュー

小児漢方外来診療の流れについて

小児漢方外来診療の流れについて
宮田 潤子 先生

九州大学 大学院医学研究院保健学部門 講師

宮田 潤子 先生

全国的に珍しい小児漢方外来が開設されておよそ1年。小児外科の世界では以前から漢方の効果が注目されており、術後に利用する小児外科医は少なくないのだといいます。九州大学病院小児外科の宮田潤子先生に、小児漢方外来の診療の流れについてお話をうかがいました。

小児漢方外来といっても基本的には成人の診療と変わりはなく、漢方診療の基本である「望・聞・問・切」の四つを中心に診察を行います。

「望(診)」は西洋医学でいうところの視診にあたります。目(視覚)を使って、患者さんの表情や顔色、動作や歩き方、舌や頭髪、唇や歯ぐき、皮膚や爪などあらゆるところを観察します。

患者さんが診察室に入ってきたら、いらいらしていないか、うつむいてばかりいないか、元気はあるかなどといった点についても注意を向けます。

顔色については、赤ら顔や、逆に青白くないかといった点にも注意します。子どもの場合だと、服装をみることで暑がりなのか、寒がりなのかを判断する材料になります。暑がりの子どもさんの場合には、真冬でも半袖、半ズボンということもありますし、また逆に、私たちが1枚や2枚程度で過ごせるときに、5枚も6枚も服を重ね着しているような場合には、寒がりかなというように、体質を判断することができます。

舌の診察は、舌の形、大きさ、色、苔の性状(色や厚さ等)について診察します。舌の所見は、西洋医学ではあまり注目しませんが、漢方では、患者さんの体質や病態を考えるうえで重要な役割を果たしています。

「聞(診)」は聴覚、嗅覚を用いた診察です。言葉や音声、呼吸音や体臭などについて観察をします。元気のいいお子さんは、大きな声を出しますし、元気がなく落ち込んでいるような子ではボソボソと小さい声で話をしたりします。診察のときの声の大きさやトーン、話す口調や声のはりなどに注意します。

「問(診)」は、通常の診察で行う問診ですが、西洋医学より細かく問診を行います。症状についてうかがう他、症状が出現する状況についても尋ねます。どんなときに症状が出やすいのか、たとえば、気温や天候の影響がないか、などをお聞きします。気温が低くなると出てくるのであれば「冷え」と関連づけられますし、雨の日に体調が悪くなるのであれば、「水毒」といって水のバランスが崩れているのではないかと推測できます。

食事については、食欲の有無(よく食べるか、小食なのかといったこと)のほか、偏食はないか、体を冷やすような食品をよく摂っていないか、冷たいものと温かいもののどちらを好むかなどについても尋ねます。

睡眠に関することもお聞きします。熟睡できているのか、途中で目を覚ますことはないか。まだ幼い子どもさんであれば夜驚症(やきょうしょう)や夜泣きはないかなどについて確認します。

排泄については、便の頻度や便の硬さ、臭いなどを確認します。例えば、便秘でも、便が硬くない場合とコロコロの兎の糞状の便では処方が異なりますし、腸炎などで下痢をしているような場合、においの強い下痢なのか、あるいはにおいのない下痢なのか、腹痛を伴うのかそうでないのかなど、詳しく聴取します。また、尿の回数、量、濃さ、夜尿(おねしょ)の有無についても尋ねます。

おそらく西洋医学ではあまり聞くことはないと思うのですが、入浴時に湯船に長くつかるかどうかということも尋ねます。一般的に子どもは暑がりなので、“カラスの行水”というお子さんが多いのですが、「うちの子は長くお風呂に入ります」といわれるような場合には、冷えがあるのではないかといったことを疑う判断材料になります。また、水分摂取のときに冷たいものをほしがるのか、温かいものをほしがるのか、といったことも確認します。

「切(診)」は、脈をみたり、おなかを触ったりと、実際に触れて行う診察です。西洋医学でいう触診よりもさらに細やかに診察を行います。子どもの場合、脈での所見が出にくいため、おなかの診察が重要になります。おなかの診察のときに、くすぐったがって触らせてくれないようなときには、虚弱体質かなと判断できます。幼稚園の年中、年長さんから小学生あたりになると、脈の所見が徐々に出始めるので、年齢に応じてとらえることも必要になってきます。

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  • 九州大学 大学院医学研究院保健学部門 講師

    宮田 潤子 先生

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