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公開日 : 2016 年 12 月 24 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

かかりつけ医を持つことが健康長寿社会の実現に繋がる-日本医師会からの提言

皆さんは、お住まいの地域に信頼できる「かかりつけ医」を持っていますか?日本医師会の調査によると、かかりつけ医を持っている人は、そうでない人に比べ、受けた医療に対する満足度やがん検診受診率が高いとされています。日本医師会会長の横倉義武先生は、地域の医師と住民が繋がりを持つことが、健康な高齢社会を作ることができるとおっしゃいます。これからのかかりつけ医とはどのような役割を担う存在か、横倉先生にご解説いただきました。

「かかりつけ医」が健康な高齢社会を作る

現在、日本医師会では、国民の皆さんに「かかりつけ医」を持ってもらうための取り組みに力を入れています。ご存知の通り、日本では少子高齢化が急速に進んでおり、これに伴い医療分野における課題も増加しています。

たとえば、郊外に住んでいる方の場合、若いときには都心部に密集する急性期病院に車や電車などで通うことも可能でしょう。実際に、埼玉県や神奈川県、千葉県などから東京都心部の大病院へと通っている方は沢山いらっしゃいます。

しかし、高齢になり身体機能が低下していくと、自分が暮らしている地域から他地域へと通院することは容易ではなくなります。そのため、国民一人ひとりが、ご自身の暮らす地域で質の高い医療を受けられるよう、全国的な仕組みを作ることが急務となっているのです。

「病気を治す」だけでなく「健康維持」に関わるかかりつけ医が必要

生活指導をする医者

これからのかかりつけ医には、病気の治療を行うだけでなく、その地域住民の健康を維持していくという段階から、積極的に介入していく姿勢が求められます。少子高齢化社会においては、年齢だけに焦点を当てた「長生き」にとどまらず、「健康寿命」を可能な限り伸ばしていくことが肝要です。そのためには、高齢になる前の方に対して、生活習慣病を防ぐための生活指導を行うことや、運動機能の低下を抑えるための相談にのることが有用です。この役割を担うのが、地域のかかりつけ医であると考えます。

これからのかかりつけ医の定義

2013年、日本医師会は複数の病院団体とともに、「医療提供体制のあり方」を提言しました。そのなかで、私たちはかかりつけ医を以下のように定義しています。

【かかりつけ医の定義】

なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師。

このように、かかりつけ医に求められる能力は非常に高く、また、多岐にわたります。しかし、私たち医療者は、これを「理想」にとどめてしまうことなく、社会のニーズに応えられる姿に近づくため、努力していかねばならないと考えます。

かかりつけ医がいる人は、医療への満足度と検診受診率が高い

第4回日本の医療に関する意識調査では、かかりつけ医の有無別に受けた医療への満足度とがん検診の受診率を割り出しました。

【受けた医療への満足度】

  • かかりつけ医あり 93.3%
  • かかりつけ医なし 81.8%

【がん検診の受診率】

(対象者=健康状態がよいと回答した50代、60代)

  • かかりつけ医あり 56.9%
  • かかりつけ医なし 42.1%

この結果からも、かかりつけ医をもつことが、国民の健康増進に役立つことがわかります。

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