インタビュー

心房細動の治療法にはどのようなものがあるのか

心房細動の治療法にはどのようなものがあるのか
メディカルノート編集部 [医師監修]

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この記事の最終更新は2018年05月10日です。

心房細動の治療には、血栓予防のための薬や心房細動を鎮める薬を使用します。また場合によっては電気ショックを行い、心房細動を一次的に停止させることや、心房細動の根本的治療としてカテーテルアブレーション治療というカテーテル手術も実施されています。

今回は記事2『心房細動の症状とは』に引き続き、心房細動に対しての薬物療法と非薬物療法、使用する薬の副作用について説明していきます。

心房細動に対して行われる治療法には薬物療法と非薬物療法があります。

心房細動になると血栓ができやすくなるため、予防として抗凝固薬という薬を使用します。

血栓ができることによって発生する疾患については、記事2『心房細動の症状とは』をご参照ください。

また心房細動そのものを抑える(心房の興奮を抑える)薬として、抗不整脈薬というものがあります。抗不整脈薬は心房の興奮性を低下させるものがあります。他に心房細動時の脈拍数をコントロールするものがあります。これは興奮を心室に伝える房室結節という場所の伝導性を低下させることで、心房細動発生時の脈拍を抑え頻脈時の症状を抑制します。

抗不整脈薬は内服するものと点滴によって投与するものがあります。

心房細動を一次的に停止させる方法として、電気ショックを行うことがあります。電気ショックを実施すると一度心臓は止まります。そしてもう一度動き出す際に心房細動の状態はリセットされ、患者さんご自身の脈拍に戻るということが狙いです。抗不整脈薬の点滴を投与しても心房細動が停止しなかった場合は、患者さんに外来で鎮静剤を投与し電気ショックを実施しています。電気ショックは、副作用の少ない治療法です。

また患者さんのなかには心房細動が停止する際に、患者さんご自身の脈拍に戻ることができず失神を起こしてしまう方もいらっしゃいます。そういった患者さんにはペースメーカーを挿入し、心房細動が止まっても倒れないような対処をします。

そして心房細動を根本的に治す治療法としては、カテーテルアブレーションという手術が行われています。

不整脈薬を使用すると必ずしも心房細動の慢性化を防げるわけではありません。抗不整脈薬を使っても、一定数の患者さんは心房細動が慢性化しているという結果がでています。また、心室性不整脈の発生や、長年抗不整脈薬を使用することで心臓の拡張や、収縮力が低下するといった副作用も確認されています。

提供:PIXTA

患者さんのなかにはアルコールを摂取することにより、心房細動を発症しやすくなる方もいらっしゃいます。そういった患者さんは、飲酒を控えるようにしてください。

心房細動を発症する原因について詳しくは、記事1『心房細動の原因とは』をご参照ください。

また適度な運動をすることは非常によいことです。しかし激しいスポーツや、長時間のマラソンなどは心臓に負担をかけすぎてしまうため注意が必要です。

心房細動の治療で使用する抗凝固薬の一種であるワルファリンカリウムは、食事の影響を受けやすい薬物です。そのため心房細動の治療の際は、月に1回程度外来を訪れ心臓の様子をみてもらうことをおすすめします。

薬

不整脈薬や電気ショックといった治療法により、発作性心房細動が慢性心房細動へ移行する時期を遅らせることは可能です。しかし根本的に心房細動を治すことはできません。カテーテル手術療法であるカテーテルアブレーション治療の場合は、心房細動の根本的な原因を治療するため、症状を十分に改善できる可能性があります。

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