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第80回 日本臨床外科学会総会に向けて

第80回 日本臨床外科学会総会に向けて
窪田 敬一 先生

本庄記念病院 消化器外科

窪田 敬一 先生

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この記事の最終更新は2018年10月30日です。

臨床における外科診療のテーマを広く取り入れ、臨床外科にかかわる多くの方が参加する日本臨床外科学会総会。第80回となる今回の総会は、2018年11月22日(木)~24日(土)、グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールにて開催されます。

第80回日本臨床外科学会総会のテーマ「安全な外科手術手技の確立」に込められた思いや当日のプログラムについて、学会長である窪田敬一先生にお話を伺いました。

外科手術に携わる者として、すべての手術を安全に成功させ、患者さんに軽快して帰っていただきたいという思いがあります。しかし、外科手術とMortality(死亡率)を切り離して考えることはできず、どのような手術でも、たとえば肝胆膵における高難度手術などで課題に挙げられるように、手術手技の確立は充分ではありません。

Mortalityを0にしてMorbidity(罹患率)を減らすため、臨床外科に携わる皆様と学会で検討したいという思いから、このテーマにさせていただきました。達成することの困難なテーマであるかもしれませんが、現状での問題点、改善点について議論する機会になればと考えています。

「安全な外科手術手技の確立」がテーマということで、食道、胃、肝臓、膵臓、大腸、心臓の手術に関して、オーソリティによる基調講演を予定しています。その後は臓器別に、それぞれのテーマに沿って発表をしていただくセッションを設けています。

「Legendに聞く」というセッションでは、日本の医療を牽引してこられた先生方に、ご専門の手術の過去・現在・未来について語っていただこうと考えています。たとえば、肝臓外科の幕内雅敏先生、乳腺科の霞富士雄先生といった、各分野の第一人者にご講演をいただく予定です。

今の時代が抱えるテーマである、女性医師をどのように支援するかということについては、やはり議論する必要があるでしょう。特別企画として、「女性医師支援を評価・総括する」というテーマで皆様に議論していただきたいと思います。

働き方改革についても、時代の流れとして一度は議論が必要でしょう。手術を終えて当直明けに帰宅するという習慣がない外科の医師は、考え方を変えたり、割り切ったりしなければ、働き方改革を実現することができません。これをひとつのメインテーマにしたいと思い、セッションを設けました。

2020年東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、日本のテロ対応に携わる救急の先生方に教育講演をしていただく予定です。2013年4月の米ボストン・マラソン爆破事件において現場で対応された先生などにお越しいただく、注目のプログラムのひとつです。

手術支援ロボットシステムに関する研究などに尽力されている佐久間一郎先生をお招きして、医療分野におけるAI(人工知能)の活用についてお話しいただく予定です。

より安全な手術を確立するためには、実際のご遺体を用いた解剖により手術手技を学ぶことが重要であると考えています。この分野のオーソリティの方をお招きし、ビデオ映像やスライドによる発表を行っていただくセッションを設けています。

本総会は、「第8回日中肝胆膵シンポジウム(The 8th Japan-China Hepato-Pancreato-Biliary Symposium)」、「日中肝胆膵精益診療工作坊 - 第11回高鉄精益塾合同集会」との合同開催です。

日中肝胆膵シンポジウムは、私の恩師である故出月康夫東京大学名誉教授が立ち上げた学会です。第6回までは出月先生が開催され、2008年に第7回を私が北京で開催いたしました。2011年に開催予定だった第8回は、国際情勢や東日本大震災の影響を受けて実現できずにいましたが、このたび本総会との同時開催の運びとなりました。

日中肝胆膵精益診療工作坊 - 第11回高鉄精益塾合同集会の開催については、東京女子医科大学の山本雅一先生などが中心となって日中の友好を深めてこられたという背景があります。私が第10回に参加させていただいたことを契機に、本総会との同時開催が決まりました。中国の著名な先生方に多数お越しいただく予定です。

一般的に外科手術はさまざまなものを扱いますが、今回はビデオ発表が多く行われる予定ですので、見ていただければ勉強になると思います。第80回 日本臨床外科学会総会に奮ってご参加ください。

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