院長インタビュー

急性期から地域包括ケア、療養まで─ケアミックス型の病院として地域を支えていく友仁山崎病院

急性期から地域包括ケア、療養まで─ケアミックス型の病院として地域を支えていく友仁山崎病院
髙橋 雅士 先生

医療法人友仁会友仁山崎病院 病院長、滋賀医科大学 前病院教授

髙橋 雅士 先生

目次
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この記事の最終更新は2019年01月28日です。

医療法人友仁会友仁山崎病院は滋賀県彦根市で内視鏡を用いた検査や手術を中心とした急性期医療から、回復期、慢性期医療を提供するために地域包括ケア病棟、医療療養病棟、を併せ持ったケアミックス型の病院として地域医療を提供しています。地域住民の健康サポートに尽力されている同院について院長の髙橋雅士先生にお話を伺いました。

 

友仁山崎病院 外観

当院は1967年に現在の医療法人友仁会の会長である山崎時雄先生が彦根市河原町に山崎外科医院を開院したことに端を発します。1985年には、山崎は更に地域住民のための医療を展開したいという思いから、ここ南彦根に友仁山崎病院を開設いたしました。その後は地域の医療ニーズを汲み取り地域医療に貢献できるようにさまざまな取り組みを実施してきました。当初は、消化器内科、消化器外科、整形外科、産婦人科、小児科などを中心とした急性期病院としてスタートしてきましたが、高齢化に伴う国の施策の影響と地域のニーズを考慮し、2005年に療養病棟を、2014年には地域包括ケア病棟を開設しました。

地域包括ケア病棟を開設したことで、急性期医療や慢性期医療との橋渡しが円滑になり、患者さんに一貫性のある医療を提供することが可能になりました。また、慢性期医療の充実は地域包括ケアシステムの構築にも不可欠な分野であり、彦根市内でもいずれかの医療機関が担っていかなくてはならないと強く感じています。法人内には、潤沢な介護系施設があり、それらとの密接な連携を目指しています。地域包括ケアシステムとは、2025年をめどに構築が推進されている、患者さんが、住み慣れた地域で自分らしい人生を送れるように医療・介護・予防・生活支援が包括的に提供することができるシステムです。彦根市でも人口減少や高齢化が進み、急性期から慢性期までの診療体制を地域の医療機関とともに構築、強化していかなくてはならないと思います。その中で、当院はポストアキュートやサブアキュートの患者受け入れを中心として、地域の急性期医療機関の後方支援を目指しています。また、在宅医療にも医師を派遣し、病院として地域の在宅医療への貢献も目指しています。

 

友仁山崎病院 受付

当院では急性期医療を提供する医療機関と密接な連携を取ることで患者さんがスムーズに次の医療を受けられるようなサポート、体制づくりを行っています。ここでは、彦根市立病院との連携についてお話しいたします。

彦根市立病院は地域において急性期医療を担う病院のひとつです。そこで急性期の治療が終わった患者さんの中には、まだ在宅復帰に不安が残る方やリハビリテーションが必要な患者さんがたくさんおられます。当院は、このような患者さんのために、地域包括病棟や療養病棟を利用しながら、受け入れを行っています。受け入れの際には当院の医師や看護師に彦根市立病院で実施している退院カンファレンスへ参加してもらい、患者さんの病状やこの次にどういった医療を受けることが望ましいのか、などの情報取得を行っています。こういった、市立病院との密接な連携体制を整えたことで、患者さんがスムーズに次の医療を受けることが可能になったと思います。彦根市の地域包括ケアシステムをさらに充実させるためにこういった地域の医療機関との連携を深めていきたいと思っています。

消化器内視鏡センターでは、食道や胃、大腸などの消化器に対する検査や治療を内視鏡を用いて提供しています。同センターでは数多くの検査を実施し、診療ではNBIシステムを導入したり、内視鏡的粘膜下層剥離術に取り組んだりと、よりよい医療を提供できる体制を整えています。内視鏡での診療は患者さんの体の負担も少なく、治療後の社会復帰や食事の開始も早期に可能です。がんの浸潤がまだ早期の場合には、外科治療ではなく内視鏡での切除が可能です。一方、大きくなった腫瘍は内視鏡では対応が難しいことがあり、そういった患者さんには外科手術を受けていただきます。そのために、消化器外科と連携を取りながら診療しています。

消化器外科では主に消化器がんの治療を行っています。消化器内科の医師と密接な連携を取り、カンファレンスを行うことにより、患者さんにとってよりよい治療方法を検討します。

また、手術は腹腔鏡を用いたものが主で、術後の患者さんの負担が大幅に軽減されます。また、がん以外にもヘルニアや胆石、虫垂炎などの手術も行っています。

 

外科待合室

当院の目標のひとつに「患者さま満足と職員満足の実現」があります。患者さんの満足はそれぞれの患者さんに適した医療やリハビリテーションの提供、医療サービスの向上を目指しています。その一方で、職員満足とはどのようにすれば実現できるのかも考えています。

職員満足を向上させるために、まずは院内の意識改革が重要です。職員には、それぞれの役職に就いている職員に対して今まで以上に互いのプロフェッショナリズムをリスペクトするように伝えています。互いの業務内容について理解を深め、さらにリスペクトすることで、よりよい関係を築くことができると思います。職員同士がよい関係をつくることで、医療サービスも向上していくと考えています。

一度休止していた法人内職員で実施する研究学会を2017年に3年ぶりに再開しました。職種は関係なく、参加が可能な職員が集まって、お互いに研究発表や講演を聴講します。法人内の他の職員は日々どのような業務を行っているのか、課題解決のためにどういった取り組みを実施しているのかなど、異職種の理解によって、お互いをリスペクトするための助けになると考えています。今後もこういった取り組みを通して職員が気持ちよく働ける環境作りをしていき、医療サービスの向上を目指してまいります。

当院がこの彦根市で開院して30年以上が経ちました。私たちがここまで地域医療を提供してこれたのも地域の皆さまや地域の医療機関のご協力やご支援があったからこそです。地域包括ケアシステムの構築が叫ばれている中、彦根市は在宅医療や病院同士の連携などが徐々に充実し、患者さんがスムーズに次の医療を受けることができる体制が整いつつあります。このような中で、当院は、急性期から地域包括、医療療養を提供することで、地域のニーズに合った医療を展開して参ります。私たちが目指すのは、”良質なケア・ミックス医療”です。

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  • 医療法人友仁会友仁山崎病院 病院長、滋賀医科大学 前病院教授

    髙橋 雅士 先生

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