院長インタビュー

地域のコミュニティのひとつになるように─地域と共に歩む丸子中央病院

地域のコミュニティのひとつになるように─地域と共に歩む丸子中央病院
丸山 和敏 先生

医療法人丸山会 丸子中央病院 理事長

丸山 和敏 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

この記事の最終更新は2019年02月07日です。

丸子中央病院は長野県上田市にある病院です。

同院が主催するイベントはどれも地域に密着していて、多くの方に楽しいひとときを提供しています。過去には病院内でスタッフ同士の結婚式も執り行いました。その際には地域の方々が応援に駆け付け、たくさんの方が笑顔で新郎新婦を祝福していたそうです。

独自の取り組みで地域のしあわせ創りに貢献する、特定医療法人 丸山会 丸子中央病院 理事長 丸山和敏先生にお話を伺いました。

丸子中央病院前に設置されたステージ

1959年に丸山医院からスタートし、2019年で創立60周年を迎えます。2013年8月の新築移転を機に、この地域のコミュニティの1つになることをコンセプトに掲げました。病院を「病気があるから行く場所」にするのではなく、「病気がなくても楽しいことがある場所」と地域の方に認識していただけるよう、いわば地域のなかに溶け込んでいくために多くのイベントを企画しています。

これまで病院祭は、病院単独で行っていました。しかし、新築移転後「地域活性化」にも貢献していくために地元の商業施設、自治会、商工会などと共同で「まるこベルシティまつり」を開催しています。毎年、8月に開催されるこのお祭りは徐々に認知度も高まってきており昨年は約8000人がこのお祭りに訪れました。組織の垣根を越えて地域のお祭りとすることでより身近な病院となれるのではないかと思います。

会場は、病院だけでなくこの周辺地域一帯がお祭り会場になります。メインステージでは、長野県を中心に活動している「信州プロレス」という団体と一緒に当院の医師も選手としてリングに上がります。これはとても盛り上がりますね。他にも地元の長野大学の学生がそばを振る舞ったり、長野県警察音楽隊の演奏、コンサート、警察署や消防署の協力も得てパトカーや、はしご車などを展示しています。お祭りのクライマックスには、花火大会を毎年行っており約3000発の花火が丸子の夜空を彩ります。この花火はみなさん楽しみにされており、事前にお問い合わせをいただくことも多いです。

お祭りのクライマックスである打ち上げ花火

広々としたロビーにピアノを設置して、定期的にコンサートを開催しています。ジャズコンサートや、クラシックのテノール・ソプラノ歌手のコンサート、時にはヴァイオリニストやピアニストのリサイタルを開催しています。またクリスマスの時期にはイルミネーションのライトアップもあり、地域の皆さんと楽しい時間を過ごしています。

お昼どきになるとボランティアの方によるピアノ演奏の音色が院内に響き亘り、病院を訪れる皆さんの心を癒してくれます。

レストラン「ヴァイスホルン」から眺める上田の風景

当院の9階にあるレストラン「ヴァイスホルン」では、フレンチレストランで修業を積み、テレビ番組「料理の鉄人」にも出演した山田康司シェフが、職員と地域の方々に料理の腕をふるっています。山田シェフは、もともと入院患者さんの食事の監修、人間ドック受診者さんの食事を担当していました。新築移転後は職員の要望により職員ランチを提供、地域の方々にも一般開放を熱望され、レストラン開設へと踏み切りました。

レストランには、テラス席もご用意しています。よく晴れた日には、ここから浅間山や自然豊かな上田の景色を見ることができ、地域の憩いの場になっていると思います。

山田シェフの考案した料理は、地元スーパーのツルヤ様とコラボレーションしており、当院の管理栄養士や糖尿病専門医(注)のコメントも寄せ、毎月全店舗で無料配布しています。これも、かなり好評を得ています。

注:一般社団法人日本糖尿病学会 糖尿病専門医

レストラン「ヴァイスホルン」テラス席

当院では、予約のない初診の患者さんや救急搬送された患者さんに対しては総合診療科が診療を担っています。患者さんの状態に応じて、必要な専門診療科を紹介し診療する連携体制を整えています。

救急医療では、帰宅可能な患者さんに対する第一次救急医療と、入院治療が必要な患者さんを受け入れる第二次救急医療体制を行っています。患者さんの状態をきちんと見極め、緊急性・専門治療が必要な患者さんには第三次救急病院に紹介し、地域に信頼される救急医療体制を提供しています。

また高度な医療が必要な場合は、大学病院など特定機能病院とも連携し、患者さんが適切な医療を受けることができるよう尽力しています。

当院は消化器病センターを設置していて、消化器疾患の治療に尽力しています。検査や治療時に、精神的・肉体的な負担を減らすため、音楽を流したり、内視鏡挿入時の姿勢を変えたりしています。また、患者さんがリラックスできるように、かつ苦痛が少なくなるよう工夫しています。

また、人間ドックにも力を入れており、苦痛の少ない内視鏡検査を実施することで、受診率向上に貢献できると思います。早期に病気を発見することができれば、より健康寿命の延伸につながるのではないでしょうか。

山田康司シェフが振る舞う人間ドックの食事

医療従事者がいつでも研修ができるよう、2014年に研修センターを開設しました。医療機関にとって最も大事な財産は「人」だと思います。研修によりスタッフの個々の能力を高め、全体の医療レベルを高めます。また、後進の育成をする施設であるべきだとも考えます。当院の若手職員を我々先輩職員が熱心と指導することで、今後の医療を担う人材が育っていきます。そうやって育ってきた人たちがまた後進の育成にも尽力してくれるのです。

2018年には、より職員が研修を受けやすい環境を整えるため、院内にあった研修センターを新棟に移転させました。シミュレーション教育を柱とした研修を実施し、多職種に対応したカリキュラムをそろえています。患者さんや、利用者さんの容態が急に悪化した場合、最初の対応にあたるのはその場にいる職員だと思います。急変にしっかりと対応することで、医療機関との迅速な連携だけでなく職員自身のスキルアップにつながります。

また一般向けの救急蘇生活動も積極的に行い、地域の救命率を高めるように努力しています。

地域のコミュニティの1つとして、健康な方も気兼ねなく立ち寄れる病院になることが理想です。そのためには、何か困ったことがあった際に頼りになれるような病院であることは勿論、楽しくワクワクする病院にしたいです。地域の皆さんがいきいきと生活を送ることができるように、今後もさまざまな取り組みを実施していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

受診について相談する
  • 医療法人丸山会 丸子中央病院 理事長

    丸山 和敏 先生

「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

「受診について相談する」とは?

まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

  • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
  • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。