院長インタビュー

地域住民に必要とされる医療を提供していきたい―甲州リハビリテーション病院の取り組み

地域住民に必要とされる医療を提供していきたい―甲州リハビリテーション病院の取り組み
佐藤 吉沖 先生

医療法人銀門会 常務理事 甲州リハビリテーション病院 病院長

佐藤 吉沖 先生

目次
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山梨県笛吹市にある医療法人 銀門会 甲州リハビリテーション病院(以下、甲州リハビリテーション病院)は、1965年に、医療法人石和中央病院として開設しました。開院翌年には甲州中央温泉病院に、1992年には現在の名称に変更し、現在に至ります。

リハビリテーションがまだ世間から注目されていなかった時代から注力して来た歴史を持つ甲州リハビリテーション病院では、どのような取り組みが行われているのでしょうか。院長の佐藤吉沖先生にお話を伺いました。

甲州リハビリテーション病院 外観
甲州リハビリテーション病院 外観

甲州リハビリテーション病院は、医療法人 銀門会が運営する甲州リハビリテーショングループを母体とする病院です。

リハビリテーションを行う病院が多い山梨県内で、暮らしに着目したリハビリを積極的に行っていることが特徴です。急性期の治療を終えた方の受け入れなど、地域の医療機関とも密に連携を取りながら、地域住民が住み慣れた場所で暮らし続けるためのサポートを行っています。

当院を含めたグループの特徴は、「医療・介護・福祉の複合体」であることです。当グループは、医療法人と社会福祉法人、株式会社で成り立っていて、それぞれが協力・連携して事業を行っています。

グループ内には、当院での入院機能のほか、有料老人ホームや介護老人保健施設などを構えています。さらには、訪問診療、訪問看護、訪問リハビリや通所介護、通所リハビリテーションを担う事業所と居宅介護支援事業所に加え、福祉用具の取り扱いや住宅改修を手がける事業所などがあります。また、地域密着型事業として小規模のリハビリ特化型デイサービス、小規模多機能型事業所やグループホーム、24時間定期巡回訪問介護看護など多数の事業を実施しています。

病院はあくまでグループ全体の事業のひとつです。グループ全体で地域包括ケア、地域リハビリテーションを実践しています。そのため、リハビリテーションのみを提供するだけでなく、患者さんが最期のときまで自宅で暮らせるような仕組みをつくるために、グループ全体で複合的なサービスの提供を行っています。

リハビリテーション部の皆さん
リハビリテーション部の皆さん

当院は、リハビリテーションスタッフの充実に力を注いでおり、入院中や在宅でのリハビリテーションをしっかりと行うのに十分と考えられるスタッフを配置しています。

患者さんは、「元の生活に戻りたい」「自分の家で暮らしたい」という思いを持って入院します。そのため、退院後の患者さんがどうやって生活していくのか、病院でできることを自宅でも同じようにできるのかを、スタッフは常に考え、特殊なことをするのでなく、患者さんが自宅で生活を続けていくことに焦点を置いたリハビリテーションを行います。

たとえば、自宅の設備がそのままの状態での生活が難しい場合には、生活しやすい形を検討して、ご本人やご家族に提案します。また、退院後の生活を考慮し、シミュレーターを使った車の運転の練習をしたり、畑で農作業の練習をしたりすることもあります。

訪問リハビリなどの在宅支援に関しても同様です。リハビリテーションで訓練したことをきちんと活かし、機能を落とさないで生活できるようにケアプランを立てることを徹底しています。

ドライブシミュレーターを導入し、運転技能訓練を行っている
ドライブシミュレーターを導入し、運転技能訓練を行っている

さらに当院の特徴として、チーム・アプローチで嚥下機能の改善を図っていることがあげられます。外部から耳鼻いんこう科や歯科の医師に来ていただき、当院のスタッフと連携して、嚥下機能の評価を行っています。

外部からきた医師と密に連携することで、さまざまな視点や考えを学ぶことができます。そのため、患者さんのためだけでなく、当院スタッフの教育・成長という点も兼ねた取り組みとなっています。

自分で考えた「理想的な病院をつくること」は重要ではありません。当院の理想は、地域の中で必要とされる姿をいつも模索しながら、最終的に地域住民の方々に「ここにあってよかった」と言われるような存在になることです。

世の中のニーズは、時代とともに変化します。自分の理想とするものをつくって満足してしまうと、時代とともに古くなったり、選ばれなくなったりするでしょう。

そのため、時代の求める医療ニーズをしっかりキャッチできるようアンテナを張って、選ばれる病院になるための変革を求める。永遠に完成しない病院を目指すべきだと常に考えています。

看護師の皆さんが病院のことを考えて活動する「委員会」の様子
看護師の皆さんが病院のことを考えて活動する「委員会」の様子
佐藤院長の診療の様子
佐藤院長の診療の様子

リハビリテーションは、総合的に患者さんをみる必要のある医療だと思います。同時に、状況に応じてやるべきことを行い、求められるものをきちんと提供する、自己満足だけでは終われない医療でもあります。

患者さんの病気を治して完了とするのではなく、生活に障害を持って地域で暮らす人たちをどう支えていくのか、そのために何ができるかを常に考えることが重要です。

また、仕事や職場を選ぶとき、どのような仕事でも大変なことに変わりはありません。楽をしようとすると、どんどん楽な方に流れてしまって、結果的に自分のやりたいことができなくなります。それだけは、避けてほしいと思います。

まずは、好きなことを選ぶべきだと思います。しかし、たとえ好きなことであっても、多少つらい経験をしないと成長できないこともあるかもしれません。若手の方には、ぜひたくさんの経験を進んで積む医師になってほしいです。

当院を開院するにあたり、地域の方に土地を借りて設立したという経緯があります。そういった背景も含めて、この地域の方への感謝の思いとして、我々のグループの機能で還元できればと思っています。

当グループがここにあってよかったと思っていただけるようなサービスを心がけて、実践してまいります。人生を終えるとき、この地域に住んでよかった、当グループのサービスを使ってよかったと少しでも思ってもらえれば、我々は幸せです。

当院は、リハビリテーション提供体制の確立と充実はもちろん、地域の方が安心して暮らせるような仕組みづくりに重点を置いています。当院では、退院後のフォローもしっかりと行うよう努めています。ただ病気を治すのではなく、その後の生活のことも考慮した医療を提供していきますので、高齢者の方や、病気の治療後の生活が難しい方などがいらっしゃれば、是非ご相談ください。

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