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横浜市における#7119の利用方法や利用時の注意点

横浜市における#7119の利用方法や利用時の注意点
竹内 一郎 先生

横浜市立大学 救急医学教室、横浜市立大学附属市民総合医療センター 高度救命救急センター長

竹内 一郎 先生

目次
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この記事の最終更新は2019年05月24日です。

#7119は、急な病気やけがで「救急外来を受診すべきか」「救急車を呼ぶべきか」などの判断に迷ったときの電話相談窓口です。利用者の緊急度を判定し、どのような医療が必要かを助言することで、利用者の安心に応えています。受診や救急車利用を躊躇(ちゅうちょ)しているような潜在的な重症者に、さらに悪化する前に医療を受けていただくことで、市民の健康と安全につながります。

今回は、横浜市の#7119の利用方法や利用時の注意点などを、横浜市立大学 大学院医学研究科 救急医学教室 主任教授/附属市民総合医療センター 高度救命救急センター センター長である、竹内一郎先生にお伺いしました。

注:この記事は横浜市で行われている#7119の取り組みをご紹介しています。お住まいの地域によっては#7119サービスに対応していない場合や、ご利用方法に相違がある場合がございますので、ご留意ください。

横浜市の#7119は、急な病気やけがをしたときの、電話相談窓口です。24時間年中無休で対応しています。救急車を呼ぶべきか、もしくは今すぐ病院に行ったほうがよいのか迷ったときなどに、電話で#7119に掛けると、相談員が対応方法をアドバイスしてくれます。

#7119はもともと救急安心センター事業として、2007年6月に東京消防庁が救急車の軽症利用の抑制を目的として開始しました。横浜市では、以前より小児に限定した救急電話相談を実施していましたが、成人の救急電話相談の需要が高まり、#7119へと事業を組み換えて運用を開始しました。

横浜市の#7119の相談員は、看護師が担当しています。

そのほか、都道府県全域で実施しているのは、宮城県、茨城県、埼玉県、東京都、新潟県、大阪府内全市町村、奈良県、鳥取県、福岡県です。一部実施をしているのは、札幌市周辺、横浜市、神戸市周辺 、和歌山県田辺市、広島市周辺です(2019年4月時点)。

症状や経過を伺って緊急度を判定するため、ご本人または同伴者の方から#7119に電話を掛けてください。ただし、緊急性が高いと感じた場合は、ためらわず救急車を呼んでください。

具体的な利用方法は、以下の通りです。

#7119に電話を掛け、音声ガイダンスに従って[1]を選択してください。オペレータがお住まいの区や受診したい診療科を伺い、医療機関を案内します。

#7119に電話を掛け、音声ガイダンスに従って[2]を選択してください。緊急度を判定するために、担当者(相談看護師)が年齢・症状・経過などを質問しますので、ご回答ください。

担当者がプロトコルに準拠して「救急車が必要」と判定した場合は、119へそのまま電話を転送します。

担当者が「救急外来の自力受診が必要」と判定した場合は、いま救急受診できる医療機関を案内します。

担当者が「救急受診を要さない」と判定した場合は、経過観察時の注意点や応急処置などの方法についてアドバイスします。

プロトコル…医師による医学的観点に基づき、緊急度判定をするために作成された計画書

#7119を利用する際には、以下の内容にご注意ください。

  • 横浜市の#7119は、横浜市民または横浜市内に滞在している方のみを対象としているため、神奈川県内の他市町村の方にはご対応できません。
  • IP電話の場合は045-232-7119にお掛けください。
  • 電話相談は診療の代替ではなく、あくまでも判定とアドバイスです。ご自身の責任において医療機関の受診や救急車の利用を判断してください。
  • 薬の飲み方などの質問や、現在かかっている病気の健康相談、医師の診断に対するセカンドオピニオンなどはお受けできません。
横浜市で利用できる救急相談サービス
横浜市で利用できる救急相談サービス

#7119以外にも、全国にお住まいの方が利用可能な救急専用ダイヤルがあります。

誤飲や誤食による中毒が心配な場合、精神科救急に関する相談をしたい場合には、以下のダイヤルをご利用ください

以下は2019年4月時点の情報です。

  • 中毒情報相談室 045-262-4199
  • 大阪中毒110番 072-727-2499

 年中無休、24時間対応

  • つくば中毒110番 029-852-9999

 年中無休、9時~21時対応

  • 精神科救急医療情報窓口 045-261-7070

 平日:夕方17時~午前8時半

 土・日・祝日・年末年始:8時30分~翌朝8時30分

 ※精神科医療機関を受診されている方は、まずかかりつけの医療機関にご連絡ください。

横浜市救急相談センターでは、事業所の管理スタッフのほか、医療機関案内のみを担うオペレータ、緊急度判定を担う相談看護師が、24時間年中無休で滞在しています。また、横浜市立大学医学部救急医学教室に所属する医師が、横浜市救急相談センター内に滞在またはオンコール対応(いつでもサポートできるように待機していること)しており、相談看護師が行う緊急度判定をサポートしています。

入電応答率95%以上を必須条件とし、曜日別・時刻別の予測入電数の算出からシフトを策定し、応対する相談看護師(2~13名)とオペレータ(1~17名)の人数を1時間ごとに変化させています。

緊急度の判定は、年齢・症状・経過などから以下の5段階で行っています。

  • 赤判定(最緊急・119適応)
  • 橙判定(緊急・ただちに自力受診)
  • 黄判定(準緊急・これから自力受診)
  • 緑判定(非緊急・通常の受付時間に受診)
  • 白判定(受診不要・経過観察)

緊急度の判定は、一定期間の研修を受けた相談看護師が、プロトコルに準拠して行っています。プロトコルは総務省消防庁からリリースされている緊急度判定プロトコル ver.2をベースとしており、より高精度にするために、市内医療機関や消防のデータを用いてプロトコルを改訂しています。

竹内一郎先生

#7119は市民が医療を受けることを支援する事業です。救急車の軽症利用を抑制するばかりでなく、必要な方には救急車の利用を促すことができます。

2019年4月現在、神奈川県では横浜市のみが#7119に対応していますが、横浜市以外の市町村も#7119以外の導入が徐々に進むのではないかと考えています。急な病気やけがで困っているときは、#7119をご利用ください。

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