症状
パーキンソン症候群の基本的な症状はパーキンソン病の症状に似ており、振戦(ふるえ)、動作緩慢、手足のこわばり、小刻み歩行、姿勢反射障害などが認められます。
パーキンソン症候群とされる病気によっては、以下のような特徴が見られることもあります。
薬剤性パーキンソニズム
一部の向精神薬や胃腸薬などの副作用として現れる症状です。体内のドパミンが減少することで起こるパーキンソン病と同様に、薬の副作用で体内のドパミンが少なくなったり、ドパミンの作用が弱まったりすることで起こります。動作が遅くなる、小刻み歩行になる、手がふるえるなど、パーキンソン病とよく似た症状が現れます。通常のパーキンソン病に比べて進行が速い、突進現象が少ない、左右差が少ない、姿勢時・動作時振戦が出現しやすいなどの特徴が現れることがありますが、絶対的な指標ではありません。
脳血管性パーキンソニズム
脳梗塞などの脳血管性疾患によって引き起こされるパーキンソン病様症状です。脳MRIなどの画像検査により、パーキンソン病には認められない脳血管性疾患が認められるほか、症状に左右差がない、開脚ですり足歩行の特徴が見られるなど、パーキンソン病とは症状の出方が異なります。
特発性正常圧水頭症
頭の中や脊髄の表面にある髄液という水が脳室と呼ばれる部位にたまり、周りの脳を圧迫してしまう病気です。すり足で小刻みに歩くパーキンソン病と似たような症状を示しますが、パーキンソン病で見られる手のふるえは現れません。
慢性硬膜下血腫
頭部に外傷を負って1~2か月経った頃に頭蓋骨の下の硬膜と脳との間に血(血腫)がたまり、血腫が脳を圧迫することでさまざまな症状が現れる病気です。頭痛、歩行障害、認知症などが現れます。
パーキンソン病以外の神経変性疾患
多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症など、脳や脊髄などの神経変性疾患には、動作が遅くなる、手足がこわばる、転びやすくなるなどのパーキンソン病に似た症状を示すものがあります。
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