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メビウス症候群
メビウス症候群とは、眼の運動や顔の表情形成に深く関係する「外転神経」や「顔面神経」と呼ばれる脳神経に先天的な麻痺を認める疾患を指します。 笑わない、泣いているのに表情が変わらない、瞬きをし...
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メビウス症候群めびうすしょうこうぐん

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

メビウス症候群とは、眼の運動や顔の表情形成に深く関係する「外転神経」や「顔面神経」と呼ばれる脳神経に先天的な麻痺を認める疾患を指します。

笑わない、泣いているのに表情が変わらない、瞬きをしない、眉毛が動かない、眼の動きがおかしい、などの症状を呈します。神経麻痺に関連した症状は進行することはありません。なお、なぜ神経麻痺が生じるのかについては、明らかになっていません。

日本においてメビスス症候群は難病指定を受けている疾患のひとつであり、およそ1,000人前後の患者さんがいらっしゃると推定されています。日常生活に支障をきたすこともあればきたさないこともあり、症状の程度に合わせたサポート体制を考慮することが大切な疾患です。

原因

メビウス症候群の原因について、確実なものは現在のところ同定はされておらず、遺伝因子や環境因子が複雑に関与していると想定されています。人の細胞には1番~22番までの「常染色体」が存在しています。

家族例としてメビウス症候群を発症することがあり、一部の家系においては3番目、10番目もしくは13番目の常染色体に一部変化が生じていること病気の発症に関連していることが報告されています。

また、妊娠期間中に摂取するコカインなどの中毒性薬物が、メビウス症候群の発症に関係しているのではという報告もあります。脳神経の発達段階で脳への血流が障害を受けることも、メビウス症候群が発症する一つの原因なのではと推察する研究報告もあります。

メビウス症候群は、脳神経の中でも「外転神経」と「顔面神経」の発達障害を認め、その結果両神経に麻痺が生じています。外転神経は、眼を外側に向ける際にはたらく神経であり、顔面神経は顔面の表情を形作るのに重要な役割を示します。

また、メビウス症候群では飲み込みや嚥下、発語に関係するその他の脳神経にも影響が生じることもあります。 メビウス症候群は多くの場合は突然発生しますが、中には遺伝性疾患として発症する例もあります。

症状

メビウス症候群では、眼球運動と顔面の表情に異常を認めます。眼球運動としては、眼球を外側に向けることができないため、眼球運動の異常として気付かれます。顔面神経麻痺に関連して、表情を上手に変化させることができません。

したがって、表情が乏しい、笑ったり泣いたりしているのに表情が変化しない、まばたきをしないなどの症状が出現します。また、泣いているのに涙が出なかったり、逆に食事中に涙が出るなどの症状をみたりすることがあります。

メビウス症候群では、外転神経や顔面神経麻痺以外の神経が麻痺することもあります。哺乳障害、呼吸障害などの症状を見ることもありますし、発声に支障を来すこともあります。涙の分泌量が低下することからドライアイを発症することもあります。

脳神経系の症状以外に、筋力の低下や骨の変形などの症状呈することもあります。胸の筋肉である「大胸筋」が欠損することもありますし、脊椎が曲がる「側彎症」の症状を見ることもあります。また、てんかんや自閉症、難聴、知的障害などの症状を見みることもあります。

検査・診断

メビウス症候群は、基本的には脳神経の麻痺(特に外転神経と顔面神経)を身体所見で確認することから診断がされます。メビウス症候群では脳の一部が石灰化を起こしていたり、脳神経そのものが形成されていなかったりすることもあります。これらの所見を確認するために、頭部CTが行われることもあります。

メビウス症候群は、原因が明らかになっておらず、確実に診断することができる検査も存在しません。そのため、類似の症状を呈しうる他の疾患を除外することも必要になります。例えば、先天型筋強直性ジストロフィーやリー脳症(ミトコンドリア病のひとつです)なども除外が必要な疾患になります。

治療

メビウス症候群の治療は、麻痺症状を生じている神経に対しての支持療法が中心になります。外転神経麻痺では斜視の症状をともなうことになるため、手術で治療を行うことがあります。顔面神経麻痺にともなう症状に対しては、「smile operation」と呼ばれる手術法がとられることもあります。

この方法では、足の筋肉を血管毎顔面に移植をする方法になりますが、発語や表情などが大きく改善しうることが報告されています。 メビスス症候群では、嚥下や呼吸に影響を及ぼすこともあります。

嚥下機能に関連して哺乳や摂食が障害を受けることもあるため、チューブを利用した経管栄養や時に胃瘻を形成することもあります。呼吸障害に対しても酸素や人工呼吸管理をすることがあり、時に気管切開から在宅での呼吸補助が必要になることもあります。

ドライアイに対しては点眼薬を使用することになります。 筋骨格系の異常をともなう場合(例えば大胸筋の欠損や脊柱の異常)には、装具や手術などの整形外科的な治療も求められます。

メビウス症候群では症状の出方が千差万別であり、同じ神経の麻痺であっても治療介入を要することもあれば、経過観察でも対応可能なことがあります。症状に合わせて適切な治療方法を選択することが重要です。