治療
病気が最初に発⽣した部位(原発巣)にのみ病変が存在する「限局性」と、臨床的・画像的に転移を認める「転移性」に分類されます。最大限の治療効果を得つつ、社会復帰後のことも考慮した機能温存の観点も重視して、手術や化学療法、放射線療法などを組み合わせて集学的な治療を行います。
限局性のユーイング肉腫では、抗がん剤によって原発巣の縮小を図るとともに微小転移の治療を行い、その後、手術や放射線によって原発巣の根治的治療を行います。
外科治療(手術)の目標は、(1)腫瘍の原発巣を完全に切除すること(2)腫瘍とともに切除した骨や関節を再建し患肢の機能を回復することです。放射線療法は腫瘍に放射線を照射し、腫瘍を死滅させる方法です。腫瘍の大きさや場所により手術のみでの完全切除が困難な場合に、補助的な治療法として局所制御を目的に使用されたり、脊椎や骨盤など、手術が困難な場合に局所根治目的で用いられたりします。
化学療法の目的は、肉眼的あるいは顕微鏡的に体内に広がっているユーイング肉腫の腫瘍細胞を抗がん剤によって死滅(あるいは減少)させることです。現在、VDC-IE療法(V:ビンクリスチン、D:ドキソルビシン、C:シクロホスファミド、I:イホスファミド、E:エトポシドの抗がん剤を組み合わせた化学療法)がもっとも広く用いられてます。
しかしながら、転移性のユーイング肉腫については十分な治療成績が達成されているとはいいがたく、ユーイング肉腫全体の治療成績向上のためにもさらなる治療法の開発が望まれています。
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