症状
先天性副腎過形成症では、欠損する酵素の種類によって多彩な症状が現れます。
もっとも発症頻度の高い21-水酸化酵素欠損症では、皮膚が黒くなるほか、女児の場合は女性器が通常とは異なる形態を示すことがあります。重症になると生後2週間以内に哺乳が困難になったり嘔吐したりするほか、副腎皮質ホルモンの著しい不足による “副腎クリーゼ”を起こし、食欲不振や低血圧、低血糖、循環障害、電解質異常、意識障害などのさまざまな症状がみられ、命に関わることもあります。
そのほかの先天性副腎過形成症でも、欠損する酵素によってさまざまな外性器の異常がみられます。
たとえば、男児の先天性リポイド副腎過形成症や17α-水酸化酵素欠損症、3β-水酸化ステロイド脱水素酵素欠損症では、性ホルモンの分泌不足によって男性器の女性化がみられます。また、女児の3β-水酸化ステロイド脱水素酵素欠損症や11β-水酸化酵素欠損症では、アンドロゲンが過剰となり男性化兆候がみられます。17α-水酸化酵素欠損症では性ホルモンの分泌不足によって男女ともに二次性徴の発達不全がみられることがあります。
さらに、先天性副腎皮質酵素欠損症のうちP450オキシドレダクターゼ欠損症では、頭蓋骨癒合症や関節の拘縮、大腿骨の湾曲、橈骨上腕骨癒合症など骨の異常がみられる場合もあります。
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