検査・診断
原発性線毛不全症候群では、慢性副鼻腔炎や気管支拡張症による上下気道症状で病院を受診することが多く、頭部や胸部のエックス線検査、CT検査などの画像検査が行われます。また、血液検査や呼吸機能検査によって、炎症や症状の程度を評価することもあります。
上下気道炎を何度も繰り返す場合には、線毛の構造や運動能力を評価するために種々の検査が行われます。確定診断をするには、気道上皮の線毛を採取し、その運動を顕微鏡で観察する検査が行われます。
しかし、喫煙者や炎症を起こした直後の患者さんの線毛はダメージを受けて運動能力が低下していることが多く、検査は日を置いて複数回行われるのが一般的です。また、特殊な検査のため、限られた施設でしか行えないのが現状です。
原発性線毛不全症候群のスクリーニング検査として用いられるのは、サッカリンテストです。これは、鼻の中に甘い匂いのするサッカリンを挿入し、甘みを感じるまでの時間を測る検査です。
原発性線毛不全症候群では線毛構造を有する嗅細胞にも異常を生じ、嗅覚障害が起こるため、通常よりも甘みを感じるまでの時間が長くなるのが特徴です。
また、原発性線毛不全症候群では鼻腔内や呼気中の一酸化窒素が著しく低下することから、簡便なスクリーニング検査として一酸化窒素を測定することがあります。
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