治療
唾液腺腫瘍は良性でも悪性でも薬で治すことができません。また、良性でも腫瘍が徐々に大きくなるほか、良性から悪性に転化する可能性もあるため、いずれの場合も全身麻酔下での手術が基本となります。
一般的に唾液腺がんに対して放射線療法や化学療法は有効ではありませんが、がんの悪性度や進行度に応じて手術後に放射線療法が行われることもあります。また、手術前に肺や肝臓などの臓器に遠隔転移している場合、重い持病があるなどの理由から手術が難しい場合には、手術をせずに放射線療法や化学療法が選択されることもあります。
手術
良性の場合は顔面神経などを温存しながら腫瘍を切除するのが原則です。悪性の場合はその悪性度に応じて切除範囲を決定しますが、高悪性がんでは腫瘍の周りに十分な安全域を取って周囲の神経や組織を含め拡大切除するのが原則です。
がんが顔面神経に入り込んでいる場合には神経も切除し、切除後は可能な限り神経を移植して再建します。また、皮膚、筋肉、顎の骨や側頭骨の組織を切除した場合には、欠損部を埋めるためにお腹や腕、足など別の部位の皮膚や筋肉、骨を移植します。
首のリンパ節に転移している場合、疑わしい場合には首のリンパ節や周囲の組織を取り除く頸部郭清術が行われます。
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