検査・診断
光に対する瞳孔の反応(対光反応)の診察が有用とされています。相対的瞳孔求心路障害が陽性になります。左右の眼に連続して交互に光を当てます。本来なら光が当たると瞳孔は小さくなりますが、視神経に異常がある側では反対に瞳孔が大きくなります。対光反応を確認した後、瞳を開く点眼薬を使用して眼の奥(眼底)を観察し、他に視力低下の原因がないかを調べます。眼底検査では、特に視神経乳頭部分の診察を行い、左右差を比較します。受傷後数日では、視神経乳頭の色調は良好であることが多いのですが、数週間経過すると次第に蒼白化してくるといわれています。
また、外傷の重症度が低く、安静の必要がない場合は、視力検査で視力が下がっていないかを確認し、視野検査で中心暗点や水平半盲などの広い範囲の視野異常がないかを確認します。また、中心フリッカー検査という素早く点滅する光をどの程度まで点滅していると認識できるかという検査があります。
さらに、頭部、顔面部のCT検査で視神経管骨折や、視神経を直接圧迫するような出血がないかを確認しますが、多発外傷の場合、骨折部位が視神経管に限局しているとは限らず、視神経管骨折を併発していないケースもみられます。以上のことから、診断は、各種画像診断、臨床所見、病歴などから総合的に判断する必要があります。
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