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外陰炎

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

外陰炎とは、女性の外陰部である大陰唇やその周辺の陰部に炎症が起きる疾患をまとめて指すものです。炎症とは、その部分が赤くなる、ヒリヒリとした熱感がある、などを特徴とする状態で、外陰炎ではこのような状態を含めたさまざまな症状が現れます。

どの年代の女性にも起きることがありますが、20歳~40歳では感染性の外陰炎が比較的多く、閉経後では接触性の外陰炎が増加してくると考えられます。感染性の外陰炎は、何らかの微生物による感染が原因となります。一方で接触性の外陰炎は、外陰部の皮膚に接触するものによる刺激が原因となります。

原因が感染性かそれ以外かで対応や治療が異なるため、診断がとても重要となります。なかには、外陰炎と非常に似た炎症を起こす怖い疾患(外陰がんなど)も存在するため、自覚症状を生じるような炎症が外陰部にあり、改善する様子がなければ早めに医療機関を受診することが大切です。

原因

外陰炎は大きく、感染性と非感染性にわかれます。

感染性の外陰炎

カンジダなどの真菌(カビの仲間)や大腸菌などの細菌、ヘルペスなどのウイルス、またトリコモナスやケジラミといった微生物による外陰部の感染が原因となります。

感染が起こるきっかけとしてはさまざまなことが考えられます。性感染症として性交渉によりパートナーから移されて発症する場合もありますし、自身の免疫力の低下によってもともと自分の体内に住み着いている大腸菌などの細菌が活性化して、症状が現れてしまうこともあります。

非感染性の外陰炎

非感染性の外陰炎として、接触性外陰炎があります。ナプキンやおりものシート、月経血、石鹸などが皮膚への刺激となることで発症する場合や、通気性の悪い下着によるかぶれや細かな傷がきっかけとなって発症する場合があります。このような非感染性外陰炎は、抗生物質を使用しても治らないため、初期の診断と生活習慣の改善が重要となります。

症状

外陰炎は、外陰部に炎症が起こる状態であるため、基本的には炎症に伴う症状が現れます。

まず、多くの場合で外陰部の皮膚が赤くなります。ただれたような見え方になる場合もあります。次に、かゆみや痛みを感じます。かゆみの程度は原因と重症度によってさまざまで、なんとなく気になる程度であることもありますが、日常生活がままならないほど強いケースもあります。

また、皮膚の表面に炎症が起こると皮膚の表面がもろくなり、さらに、かゆみなどで掻いてしまうことで外陰部の表面に細かな傷ができてしまうことがあります。傷ができると皮膚のバリア機能が正常にはたらかなくなってしまうため、炎症がより悪化したり、皮膚の奥まで原因微生物が入り込んでしまったりする可能性が出てきます。傷から少量の出血を認める場合もあります。

外陰炎では腟炎(腟に起こる炎症)が同時に発症するケースが少なくありません。腟炎を合併している場合にはおりものの変化や増量が起きたり、臭いの変化が起きたりします。

検査・診断

内診による診察が行われます。外陰部の診察だけでも、赤みの程度や水疱や潰瘍の有無、出血の有無、など多くのことがわかります。そのうえで、外陰部の炎症が起きている部分から検体を採取し、細菌検査やウイルス同定検査などを行います。ほとんどの場合、表面を綿棒のようなもので擦ることで検査が可能です。

腟炎を合併していると疑われた場合には、同様にしておりものを検査することがあります。また、悪性疾患(外陰がんなど)を除外するために、細胞診検査を行うこともあります。細胞診は、皮膚表面から採取した細胞を顕微鏡で観察することでがん細胞が存在しないかを判断する検査です。

治療

原因によってさまざまです。

感染性の外陰炎

原因微生物に有効な治療薬を使用します。ほとんどのケースでは外陰部に塗る外用薬(軟膏やクリームなど)だけで済みますが、腟炎を合併している場合には腟錠も使用されます。

カンジダが原因の場合には生活習慣の改善も必要であることが多く、たとえば外陰部の清潔を保つ、刺激性石鹸の使用をやめる、といったことが検討されます。

ケジラミ症では、外陰部の陰毛を剃ることが治療になります。これに加え、治療薬が配合されたパウダーまたはシャンプーが使用されます。

非感染性の外陰炎

原因となっている物質を避けることや、環境(ナプキンやおりものシート、月経血や石鹸など)を変えることで治療します。そのうえで、かゆみや痛みなどの症状に対してステロイド剤などの外用薬が処方されることがあります。

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