やかんたにょう

夜間多尿

最終更新日:
2021年10月22日
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2021/10/22
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概要

夜間多尿とは、夜のみ尿量が多くなることをいいます。原因としては、水分の過剰摂取、ホルモンバランスの乱れ、高血圧症など何らかの病気、あるいは病気の治療薬によるものなどがあります。

排尿の回数が多い、1回の尿の量が多いなど多尿の症状が夜間のみみられる場合には夜間多尿の疑いがあるため、泌尿器科の受診を検討しましょう。夜間多尿を診断するには、排尿日誌をつけて自身の排尿を記録することが大切です。

原因

夜間多尿の原因としては、以下のようなものが挙げられます。

水分の過剰摂取

脳梗塞(のうこうそく)心筋梗塞予防、脱水改善などの目的で水分摂取を就寝前に行うことにより、夜間尿量が増加することがあります。

抗利尿ホルモン(ADH)の日内変動

抗利尿ホルモン(ADH)は、通常は日中に少なく夜間に多く分泌されます。このため、通常は日中のほうが尿量が多く、夜間には尿量は減少することが一般的です。

一方、高齢者では夜間にADHの分泌が低下することが知られており、これによって夜間の尿量が増加します。また、アルコール摂取はADHの分泌が抑えられ、夜間多尿をきたします。

循環器系の異常

夜間の血圧低下が少ない高齢者や高血圧患者では、夜間尿量が増えることが知られています。

また、心不全患者や高齢者は下半身に体の水分がたまりやすく、むくみが生じることがあります。その状態で夜間に横になると、腎臓への血流量が増加するために尿量が増加します。

薬剤性多尿

利尿剤を服用することで夜間多尿が生じることもあります。また抗コリン薬、クロルプロマジンなどを夜間服用しても、喉の乾きにより夜間の水分摂取量が増えやすいため夜間多尿につながることがあります。Ca拮抗剤もむくみの副作用があるため、夜間尿量の増加につながることがあります。

症状

夜間多尿とは、夜間の尿量の多い状態を指します。

夜間多尿を客観的に評価する指数として“夜間多尿指数(=(夜間尿量/24 時間尿量)×100%)”があります。65 歳を超える高齢者では33%、若年成人では20%を超えた状態に夜間多尿と定義されます。

検査・診断

夜間多尿の原因となるような病気(慢性腎不全糖尿病心不全高血圧睡眠時無呼吸症候群)の有無を確認する必要があります。具体的な検査方法としては、血圧測定、尿比重(尿浸透圧)、生化学検査(電解質、Ca、BUN、Cr、eGFR、血糖、HbA1cなど)などが挙げられます。

また心不全が疑われる場合には 、BNP や NT-proBNPの測定、心臓超音波検査などを行います。睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は睡眠ポリグラフ検査を行います。

治療

夜間多尿の治療方法としては、行動療法、薬物治療、睡眠管理などがあります。

行動療法

排尿日誌を付けて、飲水と尿量の関連を把握し、日中を含めた1日を通しての多尿なのか、夜間多尿なのかを把握することが必要です。また夜間の過剰な飲水、アルコール、カフェインの摂取は避けましょう。

薬物治療

男性の夜間多尿に伴う夜間頻尿に対して、デスモプレシンが保険適用となっています。女性ではまだ有効性が確認されていません。デスモプレシンはADHホルモンと同じようなはたらきがあり、夜間の尿量を減少させる作用があります。日本では、1日1回寝る前にデスモプレシンを内服することで夜間多尿を改善します。

睡眠管理

睡眠管理には、非薬物療法と薬物療法があります。まずは非薬物療法として生活習慣を見直しましょう。薬物療法を行う際には、症状にあわせた睡眠薬の使い分けが重要です。また高齢者への投与においては、薬物相互作用にも十分注意する必要があります。

予防

寝る前のアルコールやカフェインの摂取、水分の取りすぎは夜に尿量が多くなる原因となります。寝る前にお酒やコーヒーを飲むことは控え、適度な水分摂取を心がけるようにしましょう。

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