原因
大腿骨の一部分である大腿骨頭は、股関節を形成する部位としてとても重要な役割を果たしています。股関節を構成するもうひとつの大切な骨は、骨盤を構成する骨のひとつである「寛骨」であり、寛骨には「臼蓋」と呼ばれる部分が存在しています。大腿骨頭は丸みを帯びた形状をしている一方、臼蓋はくぼみとなっています。丸みを持つ大腿骨頭が、寛骨のくぼみである臼蓋にはまり込むことで股関節は形成されています。
大腿骨頭壊死では、大腿骨頭への血流が十分量通わなくなり骨組織が死んでしまいます。大腿骨頭壊死を発症すると、大腿骨頭の正常な丸みが変形を来たし、正常な股関節としての機能を果たせなくなります。
大腿骨頭壊死は血流障害から発生する病気ですが、いくつかの危険因子がこれまでに指摘されています。大腿骨頭壊死の危険因子としては、ステロイドの服用が挙げられます。ステロイドは膠原病や白血病など、数多くの病気で使用されることのある重要な薬剤で、1日40㎎以上服用し続けるとリスクが上昇するという研究結果があります。膠原病のなかでも特に大腿骨頭壊死と関連性が深いのは、全身性エリテマトーデス(SLE)です。15歳以上のSLEの患者さんにおいて、大腿骨頭壊死の発生数が急増することがわかっています。
その他に大腿骨頭壊死の原因として、アルコールの過剰摂取、年齢、性別(男性が女性よりも発生しやすい)、凝固異常などが考えられています。また、遺伝子異常との関連性も推定されています。
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