治療
尋常性天疱瘡は自己免疫疾患の一種であり、その反応を抑えることが治療のポイントとなります。尋常性天疱瘡の治療はステロイドによる治療を中心として、その他に免疫抑制剤・血漿交換・免疫グロブリン大量療法などがあります。ステロイドは細胞膜を容易に通過し、細胞の状態を短時間・短期間の間に変える作用を持っていて、非常に即効性のある、強力な抗炎症作用をもつ免疫抑制剤です。尋常性天疱瘡に対しては、長期間に渡ってステロイドを投与する必要があります。症状が緩和されていくにしたがってステロイドの量を徐々に減らし、寛解を目指します。ステロイドは、治療効果は高いものの長期投与が必要となります。そのため、それに伴う糖尿病や骨粗しょう症などの合併症を引き起こす可能性があり、注意が必要です。
この他、血漿交換による治療が行われることもあります。尋常性天疱瘡の場合、デスモグレインという分子に対して免疫グロブリン (IgG) という自己抗体ができてしまうことが発症に関係していると考えられています。そのため、血液から抗体 (IgG) をろ過し、取り除く方法もとられます。
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