検査・診断
症状から尿崩症が疑われる場合は、以下のような検査が行われます。
血液検査、尿検査
血液や尿中の電解質の量を調べるために行われます。
尿崩症では体内に必要な水分がどんどん排出されていくため、血液中のナトリウムなどの濃度が高くなります。一方で尿は濃縮が起きず、薄くなるのが特徴です。
高張食塩水負荷試験
内分泌負荷試験の1つで、高張食塩水を点滴してそれに反応する抗利尿ホルモン(ADH)の分泌状況を調べる検査です。具体的には5%食塩水を決められた速さで120分ほど点滴し、その間の血漿浸透圧と抗利尿ホルモン(ADH)を測定します。
健康な方では、血漿浸透圧が上昇していくにつれて抗利尿ホルモン(ADH)も上昇しますが、中枢性尿崩症の方の場合、血漿浸透圧が上昇し続けても抗利尿ホルモン(ADH)の分泌が増加せず、尿の濃縮が起こりません。また腎性尿崩症では抗利尿ホルモン(ADH)が健康な方と同じ反応を示しますが、尿の濃縮が起こりません。
水制限試験
最長で 6時間30分の間、一切の水分摂取をせずに定期的に尿量や体重、血液中の電解質の濃度を測定し、その後に抗利尿ホルモン(ADH)を投与して尿量や尿の濃さの変化などを調べる検査です。
中枢性尿崩症の診断に必要な検査であり、水分制限後に抗利尿ホルモン(ADH)を投与して尿量が減少し、尿が濃くなるなどの変化がみられる場合は中枢性尿崩症と診断されます。
遺伝子検査
遺伝子の変異による腎性尿崩症が疑われる場合は、原因となる遺伝子変異の有無を調べるために遺伝子検査が行われることもあります。
画像検査
中枢性尿崩症は脳腫瘍などの病気によって引き起こされることがあるため、発症原因を調べるためにCTやMRIなどを用いた画像検査が行われることがあります。
また、多尿が長期間継続することで水腎症や巨大膀胱など尿の排泄に関わる臓器に異常が生じることもあるため、状態を評価するためにこれらの画像検査が行われることもあります。
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