症状
巨細胞性動脈炎では、炎症が起こることによる全身症状と病変が生じている部分の血管に炎症が生じたり、血管が詰まったりすることによる症状があります。一般的に、およそ3分の2の患者に側頭部の痛みがみられるといわれているほか、およそ半数の患者が食事中の下顎の疲れを自覚するといわれています。また患者のおよそ20%で失明、あるいは視力の部分的な消失がみられることも特徴です。
ただし該当する症状が全て現れるとは限らず、病気の経過にも個人差が大きいことに注意が必要です。
炎症による全身症状
炎症による全身症状としては、持続的な発熱や体のだるさ、体重減少などが挙げられます。また筋肉痛や関節痛のある人もいます。
各病変部位に応じた症状
もっとも好発しやすい頭頸部の動脈に病変が生じた場合、今までに経験したことのないような頭痛のほか、頭の片側だけに生じる痛み、食べ物をかむ際の顎の痛み、下顎や首の痛みなどがみられます。
そのほか、眼動脈に病変が生じた場合には片側、あるいは両側の視力低下、失明が生じることがあります。また、脳へとつながる動脈に病変が生じると、めまいや脱力感、うまく体を動かせなくなるなどの症状もみられます。そのほかにも、以下のような部位に病変が発生することがあります。
その他の発生部位と症状
- 大動脈……背中の痛み
- 腕へつながる動脈……腕の痛みや冷え、だるさ など
- 心臓へつながる動脈……胸の強い痛み
- 足へつながる動脈……足の痛みや冷え、長時間の歩行ができない など
その他
前述のとおり、巨細胞性動脈炎の患者の40%はリウマチ性多発性筋痛症を合併しているため、上で述べた症状に加えて、四肢の筋肉痛が生じたり、立ち上がりや寝返りが困難になったりする人もいます。
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