原因
腎盂腎炎は、大腸菌などの細菌が腎盂という場所で増殖することが原因で起こる感染症です。健常な方の場合、尿管が膀胱に入る部分に逆流防止機能があることによって、尿が腎臓へ逆流することはありません。また、尿によって洗い流されるため、本来、腎臓内は無菌状態です。しかし、腟口や肛門に潜んでいる大腸菌などが、なんらかの要因により尿道から膀胱、膀胱から尿管へと遡上し、腎臓に達し増殖することがあり、腎盂腎炎が起こります。
女性の場合は、尿道が短く膀胱炎などを起こしやすいため、結果的に腎盂腎炎も起こしやすいといえます。また、男性の場合は男性特有の病気である前立腺肥大が原因となることがあります。
そのほか、男女に関係なく、糖尿病や種々の神経疾患によって膀胱の機能が低下する神経因性膀胱という病気があります。重度の神経因性膀胱になるとまったく排尿することができず、尿閉となり尿流の停滞を起こしてしまいます。その他に多い原因としては尿路結石が挙げられます。尿路結石とは、尿路(腎臓から尿道まで)の間にできる結石の総称です。また、尿管狭窄や膀胱尿管逆流症などの生まれつきの解剖学的異常がある方も腎臓の尿が滞留しやすく腎盂腎炎を起こしやすいといえます。
上記のような原因に加えて糖尿病があったり、ステロイドや免疫抑制剤を常用していたり、エイズなどの基礎疾患があると免疫力が低下し、腎盂腎炎にかかりやすくなります。
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