治療
治療の基本は適切な抗生物質の投与です。抗生物質の種類は、感染の程度や、院内感染か否かなどを考慮して判断されますが、早期に開始することが大切です。治療前に培養検査のための検体を採取しておくことも重要です。
急性腎盂腎炎は外来通院で治療できる場合もありますが、高齢であったり、脱水や糖尿病などの基礎疾患があったりする場合や、敗血症・重度の腎不全を疑う場合は入院での治療が必要になります。2週間程度は抗生物質を使用する必要があり、医師の指示通り治療を継続することが必要になります。自己判断で、内服や点滴を中断すると再発の可能性などもあり、治療が難しくなることがあります。
また、尿閉を伴っている場合は、尿道カテーテルを留置し、感染した尿をしっかりと排出させます。尿管結石や、尿管狭窄などによる水腎症を伴っている場合は、尿道カテーテルを留置しても、感染のもとである腎盂内の尿が排出されないため、膀胱鏡下に尿管ステントを留置したり、経皮的腎瘻造設術を行ったりする必要があります。
再発を予防するためには、まず糖尿病など、感染症を起こしやすい基礎疾患をしっかりと治療することが大切です。そのうえで、排尿障害がある場合は、適切な排尿管理を内服薬やカテーテルなどで行うことが必要になります。結石が嵌頓(かんとん)している場合は、手術で結石を取り除きます。
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