治療
急性膵炎は軽症の段階で治療を開始することが望ましく、重症化すると治療が長引くほか、命に関わる恐れもあります。治療は入院をして行うことが一般的で、病気の重症度に応じて治療内容は異なります。
軽症の急性膵炎の場合
軽症の急性膵炎の場合、まずは大量の点滴療法によって体をめぐる水分量を正常化させ、臓器障害を予防します。そのほか、膵臓の酵素のはたらきを抑える治療薬や痛みの症状を和らげるための鎮痛剤、感染を防ぐための抗生物質などの使用が検討されることもあります。
重症の急性膵炎の場合
重症の急性膵炎でも、軽症の場合と同様に点滴療法が行われます。それに加えて重症例では、炎症が全身に及んでさまざまな臓器の機能が低下してしまうことがあるため、人工呼吸器を使った治療や昇圧剤の投与、透析療法など集中治療室での治療が必要になる可能性もあります。また、栄養を取り込むために鼻から胃へ細い管を入れて栄養を投与することもあります。
その他の治療方法
胆石症による急性膵炎の場合、内視鏡を用いて胆石を取り除くことが検討されます。また自己免疫性膵炎の場合には、ステロイドの投与が検討されることもあります。
後期合併症に対する治療
前述のとおり、急性膵炎では治療後に膵臓やその周辺に膿がたまる“被包化壊死”などの合併症が生じることがあります。このような合併症が生じた場合には、壊死した部分を取り除く内視鏡治療などが検討されます。
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