治療
慢性膵炎の経過は、重い腹痛が繰り返し続く「代償期」と、膵臓細胞が破壊されて機能が損なわれる「非代償期」に大きくわけられ、それぞれ治療法が異なります。
代償期の治療
代償期とは、膵臓に慢性的な炎症が生じ、組織破壊と修復の過程が徐々に進行している状況です。この過程において膵管は次第に狭くなり、それに伴い腹痛も生じます。
代償期においては、膵管を緩めるための薬剤を用い、膵液の流れを改善していきます。また、炎症と痛みを抑えるため、非ステロイド性消炎鎮痛薬を投与します。狭窄部位を解除するために、内視鏡を用いてステントを留置することもあります。膵石が原因となっている場合には、体外衝撃波結石破砕術と呼ばれる方法で石を破壊することもあります。
非代償期の治療
非代償期になると、膵臓の機能が大幅に低下し、消化吸収不良や下痢が起こります。非代償期の症状は、膵臓からの消化酵素が不足していることによるものであるため、この時期には膵消化酵素剤により不足した酵素を補います。さらに糖尿病を合併することもあるため、糖尿病に対する治療介入も必要になります。また、膵臓がんができていないか確認するために、定期的ながんのスクリーニング検査も必要です。
生活習慣の改善を
慢性膵炎では、「禁酒・断酒」など生活習慣の改善も大切です。食事の際には脂っこいものを控え、低脂肪食を心がけましょう。
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