症状
発症したばかりの頃はがん化した白血球が異常増殖することが多いものの、正常の白血球とほぼ同じようなはたらきを持つため自覚症状はほとんどありません。
しかし、がん化した白血球がさらに増殖することで、疲労感や無気力、食欲低下、体重減少、夜間の寝汗などの症状が現れることがあります。また、古くなった血液の細胞を処理する脾臓が腫れやすくなるため、左のみぞおち周辺の痛みや膨満感を覚えることもあります。さらに、全身に酸素を運搬する赤血球、出血を止めるための血小板もがん化して正常に機能しなくなるため、貧血やあざができやすいといった症状が現れるようになります。
慢性骨髄性白血病は数か月~数年かけてこれらの症状がゆっくり現れますが、がん化した血液細胞が急激に増え、重篤な状態になる“急性転化”と呼ばれる状態になることもあります。この状態になると治療を行っても十分な効果が得られにくく、感染や出血を起こしやすくなる“急性白血病”の特徴的な症状が現れるようになり、命に関わる危険が高いとされています。
このような経過をたどることから、慢性骨髄性白血病は“慢性期”、“移行期”、“急性期”と三つの段階に分類されます。無治療の場合は数年で命に関わる状態となるため、移行期や急性期に進行する前に適切な治療を開始することが望まれます。
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