せいちょうさよう

整腸作用

最終更新日:
2022年03月11日
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2022/03/11
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概要

整腸作用とは、腸内環境を整えることで便秘や下痢などの便通異常、お腹の張り、痛みなどの不調を改善することを指します。

私たちの腸の中には1,000種類以上もの細菌が100兆個存在しているとされています。これらの細菌は善玉菌(ぜんだまきん)悪玉菌(あくだまきん)日和見菌(ひよりみきん)に分けられ、数のバランスには大きな個人差があります。

そして、そのバランスは腸の機能に影響を与えることが分かっています。善玉菌が多い腸内は弱酸性に保たれて便通の状態もよいとされる一方、悪玉菌が多くなると腸内で毒性物質が産生されるようになるため便通に異常が生じるばかりでなく大腸がんなどの病気の原因になります。

このような腸内細菌のバランスを理想的な状態に整えることが“整腸”です。整腸のためには生活習慣を改善する必要がありますが、それだけで改善しない場合は整腸薬などを用いた薬物療法を行うことも少なくありません。

原因

腸内環境はウェルシュ菌やブドウ球菌などの悪玉菌が増加することによって悪化します。悪玉菌が増加する原因としては、高脂質・高たんぱく質の食生活、睡眠不足やストレスなど不規則な生活、慢性的な便秘などが挙げられます。

理想的な腸内環境は、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の割合が“2:1:7”で存在することとされています。日和見菌は善玉菌・悪玉菌のどちらか優勢なほうと同じはたらきをする細菌であり、悪玉菌が増えると腸内で毒性物質を産生するようになります。また、善玉菌は腸内を弱酸性にキープして悪玉菌の増殖を抑えるはたらきがあるため、悪玉菌が増えて善玉菌が減ると増殖を抑制することができなくなり、腸内環境はさらに悪化していくという悪循環に陥るケースも少なくありません。

腸内環境の悪化は、上述したように大腸がんの発生に関わるほか、肥満・糖尿病動脈硬化などの病気の発症にも関わっていることが指摘されています。さらに、腸内環境が悪化すると腸のはたらきが低下するため、下痢や便秘、お腹の張り、腹痛、腹鳴(ふくめい)(お腹がゴロゴロ鳴る)などの症状を引き起こします。これらの症状が強い場合は、生活習慣の改善だけでなく整腸薬などを用いた治療が必要です。

症状

腸内環境が悪化すると、腸内で毒性物質が多く産生されるようになります。その結果、腸のはたらきが低下することで下痢や便秘などの便通の異常やお腹の張り、痛み、腹鳴が生じます。

そして、さらに腸内環境が悪化した状態が続くと大腸がんクローン病などの炎症性腸疾患の原因になるばかりでなく、腸内で産生されたアンモニアなどの毒性物質が腸の粘膜の血管に吸収されて全身を巡り、糖尿病動脈硬化などの病気や肌荒れなどを引き起こす原因になるとされています。

また、腸の粘膜には私たちの体を守る免疫細胞を作るはたらきがあります。腸内環境が悪化するとこのような免疫に関わるはたらきも低下するため、免疫力が低下して感染症にかかりやすくなることなども報告されています。

治療

腸内環境が悪化した状態が続くと、上述したように便通異常などのさまざまな不快症状を引き起こすだけでなく、将来的に多くの病気の発症リスクになることが分かっています。

そのため、症状が続くときは腸内環境を整える作用のある整腸薬を用いた治療を行うことがあります。また、整腸薬の効果は緩やかであるため、便秘症状が強い場合などには便秘薬などの併用が必要な場合もあります。

セルフケア

整腸を目指すには、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を改善することが大切です。

善玉菌を増やすにはヨーグルト・納豆・漬物などに含まれる“プロバイオティクス”という生きた善玉菌を摂取すること、オリゴ糖や食物繊維など善玉菌の餌となる“プレバイオティクス”を摂取することがすすめられています。

また、悪玉菌は高脂質や高たんぱく質の食事によって増加することも知られており、栄養バランスが整った食事を心がけることも大切です。さらに、腸内環境は運動習慣やストレス・睡眠不足などのない規則正しい生活によって改善するとされています。そのため、さまざまな生活改善を行うことも整腸につながると考えられています。

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