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肌荒れ

最終更新日:
2024年08月28日
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2024/08/28
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概要

肌荒れは、乾燥、赤み、かゆみなどを伴う皮膚のトラブルです。多くの方が経験する肌荒れは、いつもと違う肌感覚、化粧が乗らない、洗顔してもさっぱりしないなどを自覚することから始まります。一般的には乾燥、赤み、湿疹、かゆみ、尋常性ざ瘡にきび)などさまざまな概念が含まれます。肌荒れがひどくなると皮膚の表面にしわや亀裂ができたり、粉を吹いたりすることもあります。

肌荒れの症状は自然とよくなることもありますが、なかなか治らない、よくなったり悪くなったりするときには受診が必要なこともあります。

原因

肌荒れは、環境変化や生理周期などの日常的な要因で起こる場合と皮膚疾患などの病気が原因で起こる場合があります。

日常的な原因

肌荒れの原因となる日常生活上の習慣や環境の変化には以下のようなものがあります。

肌の乾燥

肌の乾燥は肌荒れのもっとも一般的な原因の1つです。発汗や日焼け、乾燥した環境によって、皮膚の水分量が減少し、肌荒れが引き起こされることがあります。特に冬季や空調の効いた室内など、空気が乾燥する状況で発生しやすくなります。

乾燥した肌はバリア機能が低下し、外部刺激に敏感になります。その結果、かゆみや炎症が生じやすくなり、さまざまな肌トラブルを引き起こします。

ストレス

ストレスは肌の状態に影響を与えます。ストレスによって体内のホルモンバランスが乱れ、皮脂の分泌が過剰になったり、逆に肌の代謝が低下したりすることがあります。これにより、吹き出物、肌のくすみなどの肌トラブルが発生しやすくなります。

誤ったスキンケア

肌に合わない製品の使用や過剰なスキンケアも肌荒れの原因となります。強すぎる洗顔料や頻繁な洗顔、過剰に肌を擦る行為は肌の必要な皮脂も取り除き、バリア機能を低下させます。

また、肌に合わない化粧品の使用は、肌の炎症を引き起こします。流行に惑わされたり、安易に他人の真似をしたりすると肌荒れにつながる場合がありますので、自身の肌質を理解し変化を感じ取ることが大切です。

病気による原因

皮膚のトラブルは単なる肌荒れではなく、皮膚の病気が原因となっていることがあります。ここでは、肌荒れの原因となる代表的な病気を紹介します。

皮膚の病気

皮膚に生じる乾燥、かゆみ、湿疹といった症状は、単なる肌荒れではなく皮膚の病気が原因となっていることがあります。

接触皮膚炎

俗に”かぶれ”とも呼ばれる、原因物質が皮膚に触れることによって赤みや腫れなどが生じる病気です。原因となる物質は人によってさまざまで、化粧品、洗剤、医薬品などの化学物質、ネックレスやイヤリングなどの金属、植物、衣類など多岐にわたります。原因物質に触れた場所に、赤み、腫れ、かゆみなどの症状が現れるのが特徴です。ひどくなると腫れや小さな水ぶくれなどが起こることもあります。長年使用している製品でも突然症状が現れることがあるため注意が必要です。

尋常性ざ瘡(にきび)

顔や胸、背中にブツブツとした吹き出物ができる病気です。おでこや眉間、頬、口周りなど皮脂分泌が多い場所に現れやすく、ホルモンバランスが大きく変化する思春期によくみられます。

毛穴に皮脂がたまると面皰(めんぽう)と呼ばれる、にきびの出来始めの発疹(ほっしん)(原発疹)になります。面皰には、毛穴が開いている黒にきびと毛穴が閉じている白にきびの状態があります。この面皰に細菌感染(アクネ菌や表皮ブドウ球菌)、あるいは真菌感染(カンジダ菌やマラセチア菌)の影響で炎症が起こり、膨らみや赤みが生じます。重症化した場合、にきびが治った後も皮膚にあとが残ったり、色素沈着が生じたりすることがあります。

アトピー性皮膚炎

強いかゆみを伴う湿疹が生じ、症状がよくなったり悪くなったりすることを繰り返す皮膚の病気です。原因はさまざまですが、遺伝的に皮膚のバリア機能の障害がみられアトピー性皮膚炎になりやすい方がいることが分かっています。ハウスダストやダニなどが悪化の引き金になることがあります。肘や膝の裏などは症状がよくみられる部位です。そのほか、手、首、顔など全身に症状が現れることもあります。乳児期から発症することが多く、年齢とともに症状が軽快するのが一般的ですが、成人発症もみられます。小児期に花粉症喘息があったり、家族に同じような症状がみられたりする場合には発症リスクが高くなります。

乾皮症

皮膚表面を覆う脂(皮脂)が減少することで皮膚が乾燥する病気です。皮脂欠乏症(ひしけつぼうしょう)とも呼ばれ、空気が乾燥する秋~冬によくみられます。症状として、皮膚がカサカサする、ポロポロ剥ける、ヒリヒリする、かゆみが生じるなどがあり、進行すると皮膚のひび割れや赤み、強いかゆみが現れることがあります。主な原因は加齢による皮脂分泌機能の低下です。皮脂分泌が未熟な乳幼児にもよくみられますが、遺伝的にみられる鮫肌(魚鱗癬)では重症度が高くなります。また、空気の乾燥のほか、過度な入浴や洗浄力の強い石鹸やボディソープの使用など、皮脂の洗いすぎによっても発症することがあります。

汗疹

大量に汗をかくことで発疹(ほっしん)が生じる病気です。一般的にあせもと呼ばれます。汗が出る管(汗管)が詰まり、皮膚に汗がたまることが原因で引き起こされます。起こりやすいのは、温度や湿度が高い環境や運動の後など大量に汗をかきやすい状況です。特に首の周りや(わき)の下、肘や膝の裏、下着や衣服の締め付けがある部位など、汗をかいて蒸れやすい部位に小さな水ぶくれや赤み、かゆみなどの症状が現れます。化してにきびやおできのようになることもあります。

蕁麻疹(じんましん)

何らかの刺激をきっかけに、突然皮膚の一部が赤く腫れて地図状に膨らんでくる病気です。多くはかゆみや痛みを伴い、症状が激しい場合には発疹が全身に広がることもあります。卵や牛乳など特定の食べ物や皮膚表面への物理的な刺激、温熱、寒冷、紫外線、疲労などさまざまな要因で発症しますが、原因がはっきりしないことも少なくありません。ほとんどの場合、数十分から数時間程度で自然と症状が治ります。症状が長引く場合には受診が必要です。

脂漏性皮膚炎

頭や顔など皮脂の分泌が多い部位に赤みやフケが生じる病気です。皮脂分泌機能の異常やマラセチアというカビの一種が関与しているのではないかといわれています。高脂血症や糖尿病などの代謝異常に伴って生じることもあり、原因は多岐に及びます。頭皮から髪の毛の生え際、眉毛、耳の後ろ、鼻の横、胸、腋の下など皮脂の分泌が多い部位に生じやすく、赤い湿疹やかゆみが現れます。

乳児にも多くみられ、黄白色の脂っぽく厚いかさぶたが付着します。思春期以降では頭のフケが増え、皮膚が赤くなり細かい鱗屑(りんせつ)*の付着がみられます。

*鱗屑:皮膚の最表層にある角質層が剥がれかかった状態のこと。皮膚がカサカサしたり、鱗のように剥がれたりする。頭皮に生じた場合は一般的にフケと呼ばれる。

乾癬(かんせん)

皮膚の細胞が通常よりも速く増殖することで、皮膚に赤い発疹や白くて厚い落屑(らくせつ)*、かさぶたのようなものが生じる病気です。原因は明らかになっていませんが、遺伝的要因に加え、高脂血症や糖尿病、肥満、生活習慣、ストレス、薬剤などの環境要因が影響して発症する皮膚の自己免疫疾患と考えられています。主な症状は、皮膚が赤く盛り上がり、その表面に銀白色の鱗屑が付着することです。この鱗屑を剥がしてみると点状に出血することが乾癬の特徴でかゆみを伴うことは少ないといわれています。症状は頭皮、膝、肘、腰など皮膚が擦れやすい部位にみられることが多いものの、全身のどの部位にも生じる可能性があります。

*落屑:鱗屑が剥がれ落ちること。

全身の病気

肌荒れは、皮膚の病気だけではなく全身の病気のサインとして現れることがあります。

甲状腺機能低下症

甲状腺の機能が低下し、全身の代謝に関わる甲状腺ホルモンの分泌が減少する病気です。皮膚の代謝が低下することで乾燥肌が生じやすくなるとされています。

糖尿病

血糖値を下げるインスリンのはたらきが低下することで血糖値が高い状態が続く病気です。高血糖状態が続くと肌の乾燥が起きやすく、乾燥肌やかゆみなど肌荒れの症状が生じることがあります。

症状

肌荒れの症状は皮膚の乾燥や赤み、かゆみなどです。湿疹尋常性ざ瘡にきび)ができている場合や、乾燥が悪化して皮膚にしわ・亀裂ができたり皮が剥けたりする場合など、見た目に影響が出ることもあります。

肌荒れが重度になると、我慢できないほどのかゆみが生じる場合もあります。また、かゆい箇所を掻くと肌荒れが悪化する恐れがあります。

検査・診断

接触皮膚炎アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患による肌荒れが疑われる場合、血液検査や皮膚テスト(プリックテスト、パッチテスト)を行うことがあります。

血液検査

血液検査では、体に侵入した異物(アレルゲン)に反応するIgE抗体値やアトピー性皮膚炎の重症度を示すTARC値、アレルギー体質の方で数値が高まる好酸球数値などを測定します。

皮膚テスト

皮膚テストには、プリックテストとパッチテストがあります。プリックテストはプリック針という小さな針でアレルゲンを少量だけ皮膚に注入し、15分後に反応を確認します。また、パッチテストはアレルゲンを皮膚に貼り付け、48時間後に反応を見ます。

治療

肌荒れの治療法は、その原因や症状によって異なります。適切な治療を行うためには、まず肌荒れの原因を特定することが重要です。肌荒れが何らかの病気に起因している場合、その病気に対する適切な治療が必要となります。

症状に応じた治療として、かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬やステロイド外用薬などが処方されます。皮膚が乾燥している場合は保湿薬の使用が推奨されます。そのほか原因に応じて外用薬や内服薬が処方されることもあります。肌荒れの改善には、適切なスキンケアやストレス管理なども重要な役割を果たします。これらの生活習慣の改善は、薬物療法と並行して行うことで、より効果的な結果が得られることがあります。

症状が強い場合や長期間続く場合は皮膚科の受診がすすめられます。専門医による適切な診断と治療により、肌荒れの根本的な解決につながる可能性が高くなります。

セルフケア

肌荒れのセルフケアでは、スキンケアが重要です。ただし、誤ったスキンケアは肌荒れを悪化させる場合もあるため、正しいスキンケアを行いましょう。

正しいスキンケアとは

肌荒れを感じたら洗顔料は低刺激のものを選び、過度に洗いすぎないようにしましょう。自分の肌質に合った化粧品を選ぶには、新しい製品を使用する際に自身で観察しやすい腕などに連日塗布してみることです。従来の製品と比較して赤くならない、刺激がないことを見極めてから使ってみるとよいでしょう。

予防

肌荒れを予防するには、肌の乾燥やストレスといった肌荒れの原因を避けることが重要です。

肌の乾燥を防止するには

肌の乾燥を防ぐには、洗顔方法の見直しと十分な保湿ケアが重要です。洗顔や入浴後は速やかに化粧水や乳液、クリームなどで肌を保湿しましょう。年齢、季節、肌質に適した洗顔・保湿の継続を心がけるとよいでしょう。乾燥しやすい冬は加湿器などを使用して室内を適度な湿度に保つことも有用です。

ストレスを避けるには

ストレス対策としては、十分な睡眠や適度な運動、リラックスする時間を設けるなど、生活習慣の改善が重要です。また、ストレス解消法を見つけることも大切です。趣味の時間を持つなど、自分に合ったリラックス方法を見つけるとよいでしょう。

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