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“肌荒れ”とはどんな状態?セルフケアが可能な肌荒れと正しいセルフケアについて皮膚科医が解説

“肌荒れ”とはどんな状態?セルフケアが可能な肌荒れと正しいセルフケアについて皮膚科医が解説
安部 正敏 先生

医療法人社団 廣仁会 副理事長 兼 医療法人社団 廣仁会 札幌皮膚科クリニック 院長

安部 正敏 先生【執筆/監修】

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一口に“肌荒れ”といっても肌荒れは極めて主観的なものであり、さまざまな概念が含まれます。同じ皮膚の状態でも荒れていると捉える方もいれば、正常と捉える方もいます。また、そもそも肌荒れは医学用語ではなく、一般的に“皮膚にトラブルがある”といった意味で使われます。実際に肌荒れを訴えて受診する患者の症状はさまざまで、何らかの皮膚疾患を患っている場合もあります。そのため、皮膚疾患による肌荒れは正しい診断のもと適切な治療を受けなければ治りません。一方、軽い乾燥肌湿潤(しつじゅん)した状態であれば、洗顔料や保湿薬などをうまく使用することでセルフケアも可能です。

そこで今回はセルフケアが可能な“肌荒れ”と、受診が必要な“肌荒れ”(次記事)について2記事に分けて解説します。

一般的にいわれる“肌荒れ”は、主に皮膚の乾燥、もしくは湿潤といった皮膚の水分量の異常がベースにあり、かゆみ発疹(ほっしん)が容易に出現する”皮膚トラブルを起こしやすい状態“と考えられます。

皮膚は、表面から“表皮、真皮、皮下組織”に分かれますが、もっとも表面に位置する表皮は人間を外敵から守る役割を持ちます。これを“バリア機能”といいます。表皮は細胞によって隙間なく覆われており、細胞と細胞の間には水や脂がぎっしりと隙間を埋めています(ブロック塀に覆われているようなイメージ)。

このような状態によってバリア機能は発揮されますが、その水分が少なかったり多すぎたりするとバリア機能は低下してしまいます。

正常な肌とは表皮の水分量が適切に保たれている状態、いわゆるキメがそろった皮膚といえます。一方、肌荒れとは水分が少なく表面が毛羽立っているような状態、もしくは水分が多すぎて表面がややふやけた状態が一般的に肌荒れとして認識されています。

なお、乾燥によりバリア機能(表皮の水分量)が低下すると、通常は表面だけに存在する異物が内部に浸透し、それらを排除するための炎症反応が起こります。これがいわゆる“かぶれ”です。かぶれの状態も“肌荒れ”と捉える方がいます。つまり、何らかの”皮膚トラブルをきたしやすい状態”が肌荒れといえるでしょう。

水分が多すぎると表面にある細胞は水分を過剰に含むことで膨張(ぼうちょう)し、結果として毛孔(毛穴)をふさいでしまうため、にきびができやすくなります。長時間マスクをしているとにきびができやすくなる一因はこのためです。この状態であれば、まずセルフケアをしてもよいでしょう。

セルフケアの方法として、まずはしっかりと皮膚を洗浄し、皮膚のバリア機能を保持するため保湿薬を使用することが重要です。

洗浄のコツは、過剰に皮脂を落とさないために、せっけんや合成洗浄剤を少量手にとり、十分に泡立てて洗うとよいでしょう。十分に泡立てると、せっけんや合成洗浄剤は“ミセル”を形成します。ミセルは、せっけんや合成洗浄剤の界面活性剤が球状を呈する状態であり、この状態で洗浄すると汚れや異物がミセルの中に閉じ込められるため、本来皮膚に必要な皮脂を過剰に落としにくくなります。

また、水温も重要です。あまりに熱いお湯は皮脂を落としてしまいます。逆に冷たい水はそれ自体が刺激となり、かゆみなどをもたらすため、適温は32度程度のぬるま湯がよいでしょう。

十分にすすいだ後は保湿剤を塗り、健常な皮膚を保つようにしましょう。水分が多い皮膚に保湿剤を塗るのは逆効果と思う方もいるかもしれませんが、洗浄後は皮脂が少なくなるため、保湿剤で脂と水分を適切に保つことが大切です。

紫外線による皮膚障害も肌荒れと認識されることがあります。

紫外線は外から降り注ぎ、表皮に作用します。表面で反射されるものもありますが、一部の紫外線は細胞レベルで吸収され、その結果、細胞からさまざまなたんぱく質が産生されることで免疫に作用します。この作用によって皮膚が赤くなったり、かゆみが出たり、その後いわゆる“日焼け”として黒くなったりとさまざまな変化が起こります。またこれらが長期に繰り返されると、いわゆる“しみ、そばかす”の原因となるほか、将来的に皮膚がんとなる恐れもあります。さらに、一部の紫外線は皮膚の深いところまで到達することで、いわゆる“しわ”の原因となります。

これらの変化に対するセルフケアは、サンスクリーン剤(日焼け止め)をうまく使用するとよいでしょう。サンスクリーン剤にはSPFとPAとよばれる指標があり、目的に応じて製品を選択しましょう。

日常生活であれば、おおむねSPF20~30、PA++程度を選び、数時間おきに塗りなおすとよいでしょう。登山や海水浴などのアウトドアの際には、それらの指標が高いものを用いるようにします。水遊びをする場合にはウォータープルーフの製品を用いるとよいでしょう。

なかなか治らない肌荒れは、皮膚の水分量や紫外線によるトラブルが高度な場合だけではなく、思わぬ皮膚疾患が原因で生じている場合もあります。事実、肌荒れを訴えて受診した患者が皮膚がんだったいうケースもあります。つまり、人によっては全ての皮膚疾患を“肌荒れ”と表現することが可能だということになります。軽い肌荒れ(乾燥肌や湿潤した状態)であれば、洗顔料や保湿薬などをうまく使用することでセルフケアも可能ですが、その捉え方は人それぞれに異なるため、これまで述べてきたセルフケアを行っても改善しない場合には皮膚科を受診しましょう。

次記事では、セルフケアで改善しない場合に考えられる皮膚疾患や、その治療法について解説します。

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    安部 正敏 先生

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