しみ

しみ

※この用語は、医学的には病名ではない場合、もしくは病名として認められつつある段階である場合があります。また、医療や身体にまつわる一般的な用語を掲載している場合があります。

最終更新日:
2020年09月15日
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2020/09/15
更新しました
2020/08/13
更新しました
2017/04/25
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概要

しみとは、皮膚の内部で産生された“メラニン”と呼ばれる色素が皮膚に増加し、皮膚の一部の色が濃くなるものを指します。

原因はさまざまであり、メラニンの生成や皮膚のターンオーバー(新陳代謝)に異常が生じる病気によるものもありますが、紫外線の刺激や加齢によるものなど皮膚の生理的な変化によるものが大半を占めます。そのため、一般的に“しみ”は病名ではなく肌トラブルの1つと考えられています。

原因にもよりますが、しみの多くは症状もなく治療の必要はありません。ですが、好発部位である顔にできたしみは美容上の観点から深刻な悩みの原因になることも多く、近年では美容外科など“美容”に特化した治療を行う医療機関以外に、一般的な皮膚科でもしみを改善する治療を行うケースが増えています。

原因

しみの根本的な原因は、皮膚の内部で過剰な“メラニン”と呼ばれる色素が産生されたり“メラニン”が皮膚にたまり続けたりして、皮膚の一部の色が濃くなることです。

ヒトの表皮は4つの層で形成されており、メラニンはもっとも深層の基底層に存在するメラノサイトによって産生されます。

表皮は基底層で次々に新しい細胞が作られており、徐々に上層へ押し出されるように移動していき、最終的には角質となって剥がれ落ちていきます。このため、メラニンも基底層で産生された後は古くなった細胞と共に表層へ移動し、最終的には体外へ排出されるのです。しかし、このような皮膚の新陳代謝が滞ったりメラノサイトが過剰に刺激されてメラニンが多く産生されるようになったりすると、メラニンが皮膚に増加してきて、しみを引き起こすと考えられています。

皮膚の新陳代謝が滞る原因として挙げられるのは、加齢やホルモンバランスの異常などです。一方、メラノサイトが過剰に刺激される原因としては紫外線や摩擦などの刺激が挙げられます。そのほか、しみの中には雀卵斑(じゃくらんはん)(そばかす)などのように遺伝が関与している場合もあり、皮膚がん色素性乾皮症などの病気が原因で色素沈着をきたす場合もあります。

症状

しみは、“皮膚の一部の色が濃くなる”といった外見的に目立つ症状が現れます。全身のさまざまな部位に発生する可能性はありますが、紫外線の刺激などを受けやすい顔、首、腕、背中などに発生しやすいのが特徴です。一方、病気が原因のしみはそれらの刺激に関係ない部位に発生することも多々あります。

また、しみの色調や大きさ、触感などは原因や体質によって大きく異なります。基本的にしみは年単位で大きくなっていき、色調はほぼ均一です。一方、急激に大きくなるケースや、色調がまだらなケースは皮膚がんなどの可能性もあるため注意が必要です。

検査・診断

しみの多くは紫外線の刺激や加齢などが原因で生じるものであるため、特別な検査が必要になることはまずありません。ですが、皮膚がんなど何らかの病気が原因であることが疑われる場合は、その病気に合わせた検査が行われます。

具体的には、しみの状態を拡大鏡で詳しく観察するダーモスコピー検査、しみの組織の一部を採取して顕微鏡で詳しく調べる皮膚生検、病理検査などが挙げられます。また、神経線維腫症など遺伝子の変異が関わる特殊な病気が疑われるときは遺伝子検査が、しみ以外にも臓器に病気を引き起こす病気が疑われるときはCTやMRIなどの画像検査などが必要になります。

治療

しみの治療は原因によって大きく異なります。

基本的に紫外線の刺激や加齢などが原因で引き起こされる病的でないしみは治療の必要はありません。しかし、しみは美容上の観点から深刻な悩みの原因になることもめずらしくないため、美容外科や皮膚科などでしみを改善するための薬物療法やレーザー治療、ケミカルピーリングなどが行われることがあります。

一方、何らかの病気が原因で発生するしみは、まず原因となる病気の治療を行うことが大切です。また、広範囲にわたって色調の濃いしみは外見上の理由から社会生活の妨げになることもあり、患者の希望によっては手術で切除する治療が行われることもあります。

セルフケア

しみの多くは、紫外線や摩擦の刺激、皮膚の新陳代謝の乱れなどによって引き起こされるものです。そのため、発症を防ぐには、日焼け止めや帽子、衣類などを活用して紫外線を防ぐことが大切です。

肌の新陳代謝を整えるには規則正しい生活を送ることが必要となります。また、肌の乾燥は新陳代謝を乱す原因になりますので、適度なスキンケアを行うことも大切です。ですが、肌に合わない化粧品の使用を続けるとかえって肌に慢性的な刺激を与えることにつながり、しみの原因になることがありますので控えましょう。

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