肌荒れとは、肌がカサカサしてかゆい、赤くかぶれる、ブツブツとした発疹ができるなど不快な肌トラブルの総称です。顔や手など部分的に肌荒れが生じる場合もあれば全身に生じる場合もあります。肌荒れの多くは肌の乾燥によるものですが刺激やアレルギー、生活習慣、体の病気が原因となることもあり、肌荒れを治すためには原因に対する対処が必要です。
では、肌荒れの原因にはどのようなことが考えられるのでしょうか。本記事では肌荒れの原因や肌荒れの対処法について解説します。
肌が乾燥するとかさつくようになり、気温・温度の変化や衣類の擦れ、ハウスダストなどの外的刺激に敏感になってかゆみや赤み、ヒリヒリ感といった症状が起こりやすくなります。
乾燥による肌荒れに対しては保湿剤などで肌に潤いを与えることが治療の基本です。入浴時には体を洗いすぎないようにする、体を優しく洗う、または冷暖房を使いすぎないようにする、部屋の加湿を行うことも重要です。
化粧品や洗剤、シャンプー・リンス、金属、ダニ、花粉などの刺激物質やアレルギー物質(アレルゲン)が肌に付着するとその物質による刺激やアレルギー反応によって肌荒れが起こることもあります。このような刺激・アレルギー物質による肌荒れを“接触皮膚炎”といい、原因物質が触れた部位にかゆみや赤み、小さな水ぶくれなどの症状が現れるのが特徴です。
刺激・アレルギーが原因の場合は原因物質を避けることが何より大切です。特定の化粧品で肌荒れが起きたらほかの製品に変える、洗剤を使うときには手袋をする、部屋をこまめに掃除するなどの対策をとりましょう。また、肌が乾燥していると皮膚のバリア機能が低下して発症しやすくなります。いずれにしても保湿を行い、肌の潤いを保つことは非常に重要です。
生活習慣の影響による肌のターンオーバーの乱れも肌荒れの原因になり得ます。ターンオーバーとは皮膚の細胞が約4週間のサイクルで新しい細胞に入れ替わり、古い細胞が垢となって剥がれ落ちることです。
肌荒れはストレスや睡眠不足、偏った食事、過度なダイエット、喫煙などの生活習慣によって新陳代謝が悪くなったり細胞に十分な栄養が行き渡らず、ターンオーバーがうまく行われなかったりすることで起こるのです。このような場合は生活習慣の改善に努めましょう。
ただし、規則正しい生活をしていても女性は肌荒れが起こりやすい時期があります。それは女性ホルモンの変動の影響を受けやすい生理前や生理中、妊娠中です。この時期には肌が不安定になるのでいつもより丁寧なスキンケアを心がけ、化粧品においては低刺激のものを使うようにしましょう。
肌に異常がないにもかかわらず全身にかゆみがある場合には、肝臓や腎臓、糖尿病などの病気が原因になっていることもあります。たとえば腎臓病の場合、腎臓が悪くなることで本来尿として体外に排出されるはずの老廃物や皮膚で作られるかゆみ誘発物質が皮膚の中にあるかゆみ受容体(ミュー・オピオイド受容体)を刺激し、その電気信号が脳に伝わってかゆみを感じるようになると考えられています。腎臓が悪くなると肌が乾燥しますがこれもかゆみの原因となります。このように、かゆみが起こるメカニズムは病気によって異なります。
また、皮膚の病気にはさまざまなものがあり、肌に異常が見られる場合には思わぬ皮膚病にかかっている可能性も考えられます。
肌荒れを治すためには原因に対する対処が必要です。原因がわからないまま放置するとさらなる悪化を招く恐れがあり、状態が悪いほど治療に時間がかかります。また、肌荒れがひどくなるとかゆみや痛み、見た目が気になるなどで日常生活に支障をきたしてしまいます。原因となる刺激物質やアレルギー物質を遠ざけたり、保湿などのスキンケアや生活習慣の改善を図ったりしても治らない場合や、肌荒れがひどい場合には皮膚科を受診するようにしましょう。
肌荒れの原因はさまざまですが原因が分かれば適切な治療や適切なセルフケアで肌荒れを改善することができます。肌荒れを治すには原因を特定する必要があるので原因が分からないまま放置せず、早めに皮膚科を受診して検査や治療を受けることが大切です。
原因が分かっている場合でも自己判断で市販薬を使うことはすすめられません。かえって悪化してしまう場合もあるのでまずは薬剤師や医師に相談するようにしましょう。
山梨大学医学部皮膚科学講座 教授
川村 龍吉 先生の所属医療機関
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