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帯状疱疹の治療に使われる薬の種類と服用期間

帯状疱疹の治療に使われる薬の種類と服用期間
川村 龍吉 先生

山梨大学医学部皮膚科学講座 教授

川村 龍吉 先生

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帯状疱疹は、治療が遅れるとつらい痛みが長引く(帯状疱疹後神経痛)可能性のある病気です。

この記事では、帯状疱疹の治療に使われる薬や治療期間などについて詳しく解説していきます。

帯状疱疹の治療では、主に抗ウイルス薬が使われます。

抗ウイルス薬にはウイルスの増殖を抑えて急性の炎症や痛みの症状を改善し、合併症や後遺症を防ぐ作用が期待できます。帯状疱疹で処方される抗ウイルス薬には、飲み薬や塗り薬、点滴などがありますが、一般的には飲み薬が用いられます。

具体的には以下のような薬が処方されます。

帯状疱疹の治療に古くから使用されている薬です。水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖を抑えるはたらきがあります。

服用回数が多いことで知られ、特殊な飲み方をするお薬です。大人では朝食後、昼食後、おやつの時間(15〜16時頃)、夕食後、寝る前の1日5回に分けて服用します。

アシクロビルと並んで帯状疱疹の治療薬としてよく処方される薬です。

消化管から吸収されるとアシクロビルに変化して、水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖を防ぎます。大人は1日3回の服用でよく、アシクロビルの飲む手間が少なくなるように改良されたお薬です。

水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖を抑えるはたらきのある薬です。大人では1日3回の服用でよく、アシクロビルよりも飲む回数が少なくなっています。また、バラシクロビルよりも錠剤が小さく、飲みやすくなっているのが特徴です。

日本では、2017年から販売されている新しい抗ウイルス薬です。アメナメビルは今までの抗ウイルス薬とは異なり、1日1回の内服で済むことが特徴です。腎機能への影響が少なく、腎機能が低下した人にも使いやすくなっています。

重症化した場合には入院治療が必要となることがあります。入院治療では抗ウイルス薬の点滴が1週間程度投与されます。

また重症化した場合、皮膚の炎症は治ったとしても神経の損傷が残り、痛みが長期間に及ぶ可能性があります。そのため、帯状疱疹を疑うような症状がある場合には早めに皮膚科への受診を検討しましょう。

残念ながら帯状疱疹に効果のある市販薬はありません。

適切な治療が遅れてしまうと重症化するケースもあります。帯状疱疹かどうか疑わしい症状がある場合には、自己判断をせずに早めに病院を受診するようにしましょう。

ウイルス薬は7日間服用します。

途中で薬の効果が現れても、自己判断で服用を止めたり量を調整したりせず、医師の指示どおりに服用することが大切です。

帯状疱疹の薬は、早めに服用を開始するほど治療効果が期待できます。症状が現れ始めてから72時間以内に治療を始めることが望ましく、時間が経過してしまうと十分な効果が得られにくいとされています。

重症化を防ぐためにも、帯状疱疹かもしれないと思ったら早めの受診を検討しましょう。

皮疹がかさぶたになるには10~15日程度かかり、皮膚が正常な状態に戻るまでには1 か月ほどかかるといわれています。しかし、完治までには個人差があり、皮疹が消えても痛みが4~6週間続くことがあります。

また、皮疹が消えてからも長期にわたって帯状疱疹後神経痛が続く場合があります。

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