編集部記事

肝斑の原因と自分でできる3つの予防法とは?〜紫外線対策以外にも、原因に対する対策が必要〜

肝斑の原因と自分でできる3つの予防法とは?〜紫外線対策以外にも、原因に対する対策が必要〜
渡辺 大輔 先生

愛知医科大学 皮膚科 教授

渡辺 大輔 先生

目次
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肝斑(かんぱん)とは、顔面の中央部、頬、おでこ、こめかみ、上唇、鼻などに現れるしみの一種です。名前に肝臓の文字が使われていますが、肝斑と肝臓はなんら関係がないといわれています。

症状は30歳以降で現れることが多いとされていますが、最近は20歳代の患者もいるといわれています。では、何が原因で肝斑が生じるのでしょうか。また、予防することはできるのでしょうか。

肝斑の主な原因は、ホルモンバランスが乱れることでメラノサイト(色素細胞)が活性化され、メラニンが生成されることだとされています。

ホルモンバランスが乱れる要因はさまざまあり、たとえば、妊娠や月経、低用量ピルの使用、ストレスなどによってホルモンバランスに変化が生じるといいます。これによって肝斑が生じることがあることからも、肝斑はホルモンバランスに変化が生じやすい30~50歳代の女性によくみられ、閉経とともに薄くなり、高齢者にはほとんど発症しないとされています。

また、肝斑の発生には紫外線のダメージも関与しているといわれており、日焼けをすることで肝斑が悪化する可能性もあることが分かっています。

では、肝斑を予防するために自分できることはあるのでしょうか。

肝斑の予防のためには健康的な生活を送り、ホルモンバランスを整えることが大切です。

ホルモンバランスを整えるには十分な睡眠、ビタミンやたんぱく質、抗酸化作用のある食品などを含めたバランスのよい食事、ヨガやストレッチなどの適度な運動が必要とされています。また、ストレスをためないことも重要であり、そのためにも睡眠や運動はよい影響をもたらします。

肝斑には紫外線のダメージが関与するため、日常的な紫外線対策も欠かせません。買い物や通勤など、短時間の外出で少量の紫外線を浴びるだけでも、それが長期間続くとしみの原因になるとされています。

紫外線に対しては、外出時に長袖長ズボン、つばの広い帽子、日傘などを使うだけで、50%程度の紫外線がカットできるとされているので、まずはこれらの対策を行いましょう。また、外出の際は紫外線が強くなる正午前後の2~3時間は避ける、できるだけ日陰を選んで歩く、日常的に日焼け止めを塗るなどの対策を講じるとよいでしょう。

日焼け止めの効果はSPFとPAで示され、日常生活ではSPF10~20、 PA+~++程度のものを、屋外でのスポーツや海水浴などの際にはSPF30~50、PA+++~++++程度のものを選ぶとよいでしょう。顔なら真珠の玉2個分程度を目安に、十分な量を塗布します。汗などで日焼け止めが落ちてしまうこともあるので、3時間に1回程度塗り直すことも必要です。

そのほか、外的刺激や洗顔などによる摩擦で、肝斑の症状が強くなる可能性も考えられています。

そのため、洗顔の際は強くこするなどして刺激を与えないようにし、保湿などの基本的なスキンケアをしっかり行うことも大切だと考えられます。

肝斑のようなしみが現れた場合は、皮膚科の受診を検討するとよいでしょう。肝斑の治療方法には内服薬、外用薬、レーザー治療、ケミカルピーリングなどの選択肢があります。

内服薬はビタミンCやトラネキサム酸が処方され、肝斑の改善を目指します。外用薬は、メラニンの合成を抑えるハイドロキノンなどが処方されます。また、内服薬や外用薬で改善されない場合は、レーザー治療を行うこともあります。

さらに、必要に応じてケミカルピーリングと呼ばれる、化学薬品を用いて皮膚を剥がし、その際に起こる現象や効果を利用した治療が行われることもあります。具体的にはケミカルピーリング単独、またはケミカルピーリングとハイドロキノンを併用した治療が行われ、ハイドロキノンと併用する治療の有効性も報告されています。

肝斑は、ホルモンバランスの乱れをはじめ、紫外線や刺激などの関係も指摘されています。そのため、日頃から規則正しい生活を心がけ、紫外線対策を行ったり刺激に注意したりすることが肝斑の予防につながります。

また、肝斑のようなしみが現れた場合や気になる症状がある場合は、皮膚科を受診し医師に相談するとよいでしょう。

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