治療
無精子症の治療は閉塞性、非閉塞性によって異なります。閉塞性の場合には精子の通り道が塞がっているため、塞がった部分を開通させる手術が行われます。非閉塞性の場合、原因がFSHの低下によるケースでは薬物療法を行いますが、それ以外で精子が採取できる場合は顕微授精によって妊娠の成立を目指します。
閉塞性無精子症の治療
塞がった精子の通り道を開通させる手術を精路再建術といい、外科的に閉塞部分を取り除いてつなぎ直します。手術が奏功すれば精液中に精子が出るようになるため、自然妊娠が期待できます。ただし、先天性両側精管欠損症などで閉塞部分が長い場合、手術で治すことができません。この場合は、精巣から精子を採取して顕微鏡下に受精させる顕微授精が行われます。
非閉塞性無精子症の治療
FSHの低下によるケースでは、薬物療法によってFSHを定期的に補充することで精子が作られるようになります。そのほかの原因の場合は、現在のところ自然妊娠を期待できる効果的な治療はありません。
しかし、肉眼的に確認できる精索静脈瘤を合併している場合は、精索静脈瘤手術を行うと射出精子が出現することもあり、その後の婦人科治療で妊娠率が上昇します。
また、精液中に精子が存在しなくても、精巣の一部で精子が作られている場合があります。その割合は20~50%とされ、顕微鏡手術で精巣内の精細管(精子が作られる管)から精子を採取して、顕微授精を行うことが可能です。
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