原因
無精子症には、精路(精子の通り道)の通過障害によって精液中に精子が出ない“閉塞性無精子症”と、精巣で精子が作られない“非閉塞性無精子症”の2種類があります。
閉塞性無精子症の原因
精子は精巣(睾丸)で作られ、射精時には精巣上体~精管~射精管を通り、精液と一緒に尿道から射出されます。
しかし、精巣で精子が作られても精巣上体、精管、射精管のいずれかが塞がっていると、射精しても精液中に精子が含まれず妊娠には至りません。
精子の通り道が塞がる原因には、両側精巣上体炎、先天性射精管閉塞症、先天性両側精管欠損症、ヤング・シンプソン症候群、両側鼠径ヘルニア手術後、精管切断手術後(パイプカット手術後)などがあります。しかし、原因が分からない場合もあります。
非閉塞性無精子症の原因
精巣の精子を作る能力が低下することによって正常に精子が作られない状態です。
その原因の1つに精子の形成を刺激するFSH(卵胞刺激ホルモン)の低下が挙げられます。FSHは脳の下垂体から分泌されるため、何らかの原因によって下垂体や視床下部の機能が低下するとFSHが正常に分泌されず、精子が作られなくなります。
そのほかの原因として、染色体異常(クラインフェルター症候群など)、停留精巣、薬剤(抗がん薬など)、おたふく風邪(ムンプス精巣炎)などが考えられますが、非閉塞性無精子症の半数以上は原因不明といわれています。
医師の方へ
「無精子症」を登録すると、新着の情報をお知らせします