症状
爪囲炎では爪の周辺の皮膚や指の腹部分に痛み、赤み、腫れなどの症状が現れます。進行すると膿がたまり、腫れた部分が黄色くみえます。カンジダ性爪囲炎を除く爪囲炎では、強い痛みが現れる傾向があり、中には夜眠れないほどの強い痛みを訴える人もいます。
さらに悪化すると爪を作るもととなる“爪母”が障害されることで、爪の表面に凹凸が生じるようになったり、爪の先端が爪の下の皮膚(爪床)から浮き上がる“爪甲剥離症”など別の病気を引き起こしたりする恐れもあります。
カンジダ性爪囲炎では爪周辺の皮膚がやや暗赤色に腫れ、かさぶたのようなものが生じますが、症状はあまり強くないため患者自身が気付きにくいという特徴があります。
ただし数か月この状態を放置していると、爪の変色・変形などを引き起こす“爪甲異栄養症”や“爪甲剥離症”を引き起こすことがあります。
分子標的薬が原因となる場合は、治療を開始して数か月経過してから現れることが多く、指趾の爪甲周囲に紅斑や炎症に伴う色素沈着がみられるほか、亀裂が生じ痛みを伴います。さらに腫脹や肉芽が生じて二次感染を併発しやすく、徐々に痛みが激しくなるため、靴を履くことや手仕事が困難になるなど、QOL(生活の質)の低下が懸念されます。
参考文献
- EGFR 阻害薬に起因する皮膚障害の治療手引き ―皮膚科・腫瘍内科有志コンセンサス会議からの提案―(https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/news/s_20170228egfr.pdf)
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