そうこうはくりしょう

爪甲剥離症

皮膚

目次

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概要

爪甲剥離症とは、爪が先端からはがれ浮き上がってしまう状態を指します。

年齢・性別に関係なく発症することがある病気ですが、主に女性にみられることが多いです。手の爪に多くみられますが、まれに足の爪にみられることがあります。

爪甲剥離症が起こる原因は多岐にわたり、たとえばマニキュアの慢性的な使用などが原因となることもあります。また、何かしら病気を原因に発症することもあります。

原因

原因は多岐に渡りますが、多いものとしては慢性的な爪への外力(キーボードやピアノを打つなど)やマニキュアの慢性的な使用などです。

また、爪甲剥離症は何かしらの病気を原因として発症することもあります。具体的には、以下を例に挙げることができます。

全身性疾患に伴う

鉄欠乏性貧血、循環障害、甲状腺機能異常、糖尿病、ポルフィリン症、ペラグラ、アミロイドーシス、サルコイドーシス、多発性骨髄腫、強皮症、妊娠、梅毒など

皮膚疾患に伴う

尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)扁平苔癬(へんぺいたいせん)湿疹(しっしん)・皮膚炎、手足口病、爪の先天異常など

局所性

外力(機械的刺激)や外傷、真菌性(カンジダ、白癬(はくせん)、マラセチア)、ヘルペス、爪の接触皮膚炎(マニキュアやネイルポリッシュ、ヘアスプレーなど)、爪甲下腫瘍(疣贅(ゆうぜい)有棘(ゆうきょく)細胞がんなど)、光線性爪甲剥離など

そのほか、テトラサイクリン系などの薬剤を内服中に日光照射を受けて爪甲剥離症が発症することもあります(光線性爪甲剥離)。このように原因が多岐に渡る爪甲剥離症ですが、明らかな原因を同定できないこともあります。

症状

爪は本来、指にしっかりとくっついており、はがれることはありません。しかし、爪甲剥離症を発症すると爪の先端から徐々に爪がはがれてしまい、指と爪の付着が弱くなってしまいます。

爪がはがれた場所は、全体的に白色や黄色っぽく変色します。ただし、細菌感染症が関与している場合には緑色に変色することもあります。なお、爪甲剥離症では、1本の指が影響を受けるのみではなく、複数の指が同時に影響を受けることがあります。

原因疾患によってはその病気に応じた症状を伴うことになります。たとえば、手足口病に関連した爪甲剥離症では、爪がはがれる数日から数週間前に手足口病の症状(手足や口の中の水ぶくれ、発熱、喉の痛みなど)がみられます。

また、甲状腺機能の異常を原因とする場合には、動悸や疲れやすさ、寒がりなどの症状がみられます。

検査・診断

診断には、見た目の爪の変化を確認することが大切です。また、爪甲剥離症の原因を特定するための検査も適宜検討されます。

たとえば、カンジダ感染症が疑われる場合には、爪がはがれ落ちた部位を擦りとり顕微鏡でカンジダの存在がないかどうかを確認します。血液検査を行い、貧血や甲状腺機能の異常などがないかなども適宜検討されます。

治療

治療は、原因となっている状況に対してのアプローチをとることがとても大切です。

たとえば、マニキュアの使用が原因となっている場合には、マニキュアを控えることが重要となります。甲状腺機能の異常が原因となっている場合には、甲状腺機能を是正するための治療方法(甲状腺ホルモン補充療法や手術など)がとられます。

また、状況に応じて、抗生物質や抗真菌薬、ステロイド、免疫抑制剤などの使用も検討されます。

爪甲剥離症では、一度はがれた爪が再度指にくっつくことはありません。ただし、爪が伸びていく過程で問題となっている爪の部分が先端へと移動し、最終的には指から除去することが可能となります。

原因対策を行うことで新しく生じる爪はしっかりと指にくっつくことが期待できるため、時間と共に問題となっている爪が健康な爪に置き換わるのを待ちます。