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きょうひしょう

強皮症

最終更新日
2021年05月25日
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2021/05/25
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

強皮症(広義)とは、皮膚が硬化・線維化する(硬くなる)病気の総称です。強皮症には大きく分けて皮膚に加えて内臓諸臓器が硬化・線維化する全身性強皮症(全身性硬化症)と皮膚のみに症状が現れる限局性強皮症の2種類があります。両者はまったく異なる病気であるため、区別して捉えることが重要です。限局性強皮症が全身性強皮症に移行することはありませんが、まれに併存することがあります。

全身性強皮症は、皮膚の硬化に加えて多臓器の線維化や、指先などの末梢(まっしょう)の循環障害が生じる原因不明の病気で、自己抗体陽性などの免疫の異常を伴います。患者数は3万人以上といわれており、30〜50歳代の女性に多く見られます。全身性強皮症のことを“強皮症(狭義)”と呼ぶことがあり、注意が必要です。

一方、限局性強皮症は皮膚だけに障害がとどまることが特徴です。小児から若年者に発症することが多いといわれています。

強皮症は、皮膚硬化の程度や障害の現れる臓器、重症度も一人ひとり異なります。そのため定期的な診察や検査を受け、治療方針をよく相談しながら決定することが重要です。

原因

全身性強皮症も限局性強皮症もいまだにはっきりとした原因は明らかになっていません。全身性強皮症の場合、遺伝的な要素と出生後の環境的な要素が複雑に関与していると考えられています。限局性強皮症では遺伝的な要素の関与は低いとされています。

症状

全身性強皮症、限局性強皮症では、一人ひとり出現する障害の分布や程度が異なります。主な症状は以下のとおりです。

全身性強皮症の主な症状

レイノー現象

全身性強皮症の初発症状として知られています。寒冷や緊張などにより指先が白く変化する症状のことで、典型的には白色の後に紫色に変わり、赤色となって元に戻ります。手足の末梢の血管が発作的に収縮することにより起こります。

皮膚症状

皮膚硬化は手指の腫れぼったい感じや手指のこわばりから始まり、左右対称に手背(しゅはい)、前腕、上腕、体幹に向かって徐々に広がっていきます。初期は浮腫(ふしゅ)期といって皮膚がむくんでパンパンになり、つっぱり感やかゆみを感じる場合があります。硬化期になると皮膚が硬くなり、関節が曲がって動きづらくなります(拘縮(こうしゅく))。さらに、皮膚が黒っぽくなってきます(色素沈着)。萎縮期になると皮膚は柔らかくなり、色素沈着と脱失が混在する見た目になります。指先の血行障害が強くなると、痛みを伴う潰瘍(かいよう)を起こすことがあります。

臓器障害

内臓の硬化・線維化によって間質性肺疾患肺高血圧症、腎クリーゼなどが生じることがあるほか、心臓の動きが悪くなることによる動悸や息切れ、消化管の動きが悪くなることによる胸焼け、お腹の張りなどが見られることもあります。

筋肉や関節の症状

筋肉の衰えから筋力の低下や、関節の痛みや関節が曲がって動きづらくなる場合があります。

限局性強皮症の主な症状

皮膚症状

限局性強皮症では、皮膚の一部分が斑状、または線状に硬くなります。全身性強皮症では手の指先から左右対称に広がる傾向がありますが、限局性強皮症では手の指の硬化が起こることは通常なく、体のさまざまな部位に左右非対称に症状が現れることが特徴で全身性強皮症とは異なります。

脂肪組織や筋肉への障害

限局性強皮症が進行すると、皮膚の下にある脂肪組織、腱、筋肉などが萎縮することによって見た目の変形が起こることがあります。

脳や目への症状

限局性強皮症の1つである剣創状強皮症では、顔面に線状の皮膚硬化がみられ、てんかん片頭痛(へんずつう)などの神経症状を伴うこともあります。また、目に炎症が起こることもあります。

検査・診断

全身性強皮症の診断は身体診察による皮膚硬化の評価で容易にできます。皮膚生検は不要です。臓器障害の分布や程度と将来の進行の予測のために、血液検査、レントゲン・CT・呼吸機能検査、心臓エコー検査など、さまざまな検査を行います。

限局性強皮症の場合、身体診察・血液検査のほか、皮膚生検を行って診断することが一般的です。

治療

全身性強皮症の場合、皮膚硬化や間質性肺疾患など内臓の障害の進行が予測される場合は免疫抑制薬、抗線維化薬による治療を行います。それ以外にも、現在多くの新規治療薬の開発が進んでいます。なお、全身性強皮症ではステロイドの効果が乏しいことが特徴です。

また、障害が起こってしまった臓器に対しては対症療法を行います。たとえば、レイノー現象や手指潰瘍には血管拡張薬、逆流性食道炎にはプロトンポンプ阻害薬、腎クリーゼにはアンジオテンシン変換酵素阻害薬などが用いられます。

なお限局性強皮症では、皮膚硬化の進行が見られない場合には治療を行わず経過観察となることもあります。ただし皮膚硬化が広がる場合には、その度合いに応じてステロイドや免疫抑制剤の外用薬(塗り薬)による治療や紫外線療法などの局所療法が検討されます。なお、炎症が強い場合や何らかの障害が生じる恐れがある場合には、内服(飲み薬)のステロイド・免疫抑制剤による全身療法が検討されることもあります。

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