症状
異常分娩では、妊娠37週0日~41週6日に自然に陣痛が始まらない、胎位(胎児の向き)が頭部を下向きにした頭位ではない、陣痛が始まったあと、順調に経膣分娩が進まない、といった症状がみられます。異常分娩の原因ごとに、お母さんや赤ちゃんには次のような症状・影響が生じることがあります。
母体への影響
たとえば、微弱陣痛が原因で分娩が長時間にわたる場合には、母体の全身疲労や子宮筋の疲労が生じることがあります。
また、子宮の収縮が非常に強く起こり、なおかつ産道の抵抗力が強い場合には、母体の痛みや不安などが引き起こされることがあります。
このほか、産道が傷つく産道裂傷や、赤ちゃんの出生後、子宮筋が収縮しないことによる弛緩出血が起こることもあります。
胎児への影響
胎児への影響が大きい例としては、分娩が長引くことで胎児の状態が悪化し、胎児機能不全と呼ばれる危険な状態に陥るケースが挙げられます。胎児機能不全は、お腹の中の赤ちゃんが低酸素状態になることで起こります。異常分娩が胎児機能不全の原因になることもあれば、胎児機能不全が異常分娩の原因になることもあります。
異常分娩では、生まれた後の赤ちゃんに呼吸や循環の障害が生じるケースもあるため、状況に応じて正常経膣分娩を断念し、器械分娩や帝王切開などを選択します。
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